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2016年12月22日 (木)

今年のクリスマスプレゼント

 今年のクリスマスは三連休と重なっていたので、私はあることを予想した。昨年は24日に職場で、トナカイに扮した社員の方が、クリスマスプレゼントのお菓子を配って回った。私はすっかり慰労されて(?)、しっかりとお菓子を受け取って帰ったのだった。今年のクリスマスは休日……ということは、今年は職場でそんなイベントはないな、と思った。社員の方々も恒例行事の雑務から解放されてホッとしていることだろう、というのが私の見立てであった。

 ところがである。私の読みは見事に外れた。今日の午後、サンタが職場にやってきたのだ。裏方として大量のプレゼントを手配した社員も大変だったに違いないが、とにかく粋なはからいだと思った。配られた菓子袋の中身に大きな意味はない。働く人のことを想っているということが重要なのだ。

 これに関連して、面白いことがあった。六十代とおぼしき女性の同僚がいるのだが、今日はなぜか私が朝から彼女の教育係を仰せつかっていた。彼女は体調が芳しくなかったのか、昼過ぎになると「お昼に帰ればよかった」とこぼすようになっていた。

 
ところが午後三時を過ぎて、サンタからプレゼントを配られると、彼女は表情が明るくなり、「帰らなくてよかった!」と喜びの声をあげたのだ。「これであと数時間、仕事を頑張れる」とも言った。彼女のモチベーションは“モノ”でアップしたのだ。受け取ったのは私と同じ菓子袋だけれど、人によって喜びを感じるポイントはこんなに違うのか、と思わずにはいられなかった。

 帰り際、もう一つ出来事があった。帰り支度をしているロッカールームで、別の同僚の女性がポツリとこう言った。「去年の菓子袋の方が大きかった気がする」

 私はそこにも目がいっていなかった。いや、昨年のプレゼントのことなど忘れてしまっていたのだ。人により、かくも視点は異なるものか。

 プレゼントの中身を気にかけていなかった私は、家に帰って“別人”になった。袋を開けると、私の好きなチョコレートが幾つか入っていたのだ。余計な味付けをしたお菓子は嫌いだが、シンプルなチョコレートはヘルシーでもあり好物である(ああ、都合のいい人間だ)。私はいとも簡単に、“モノ”に心動かされる身と化した。

 いつもと変わらぬ平日になると思われた12月22日木曜日は、このようにクリスマスに彩られて華やかに(?)終わったのだった。

(2016年12月22日記)

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