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2016年11月11日 (金)

将棋で考えた著名人のSNS活用方法

 ちょっと名前の知れた人やファンを抱えた人は、ブログやツイッターは細々とでもやっておいた方がいいのかもしれない  将棋ファンとして、三浦弘行九段の不正疑惑問題の成り行きを見守っている際、そのように思った。

 10月に持ち上がった将棋ソフト使用の不正疑惑は、当事者や関係者に取材を行った週刊誌(20日発売の週刊文春)でも大きく取り上げた。しかし、そこに書かれた内容やトーン、ニュアンスは、一部の棋士が違和感を覚えるものであったことが後に明らかになった。

 まず、週刊文春で《「(三浦九段の件は)限りなく“黒に近い灰色”だと思います」という内容のメールを日本将棋連盟の理事に送っていた》とされた羽生善治三冠は、奥さん(元女優・畠田理恵さん)のツイッターを使って、訂正する趣旨の次のような文章を投稿された。

《一部報道で誤解を招くような表現がありましたのでこの場をお借りして説明をさせて頂きます。まず、「灰色に近い」と発言したのは事実です》

《今回の件は白の証明も黒の証明も難しいと考えています》、

《疑わしきは罰せずが大原則と思っていますので誤解無きようにお願いを致します》

 渡辺明竜王(現二冠)も自身の思うところを明らかにした。10月12日付のブログで《大変な事態になってしまいましたが、引き続き将棋界へのご声援を宜しくお願いします。 詳細は各種報道に任せて、ここでは省略します》と静観する態度を示していたが、週刊文春の記事の内容が自身のイメージしていたものと違っていたようで、ブログで次のように軌道修正を図っている。

《一連のこと。

昨日は月例報告会で棋士に一連の経緯と自分の行動意図を説明しました。その後に囲み取材を受けましたが、報道された記事でこれでは発言が後退しすぎと言うか、最初から何もしなかったほうが良かったという体になってしまっているので、そこは訂正させてもらいます。連盟の公式HPでなく個人のブログに書くのは褒められた行為ではないかもしれませんが、ずっと誤解されるのは耐えられないので。(以下略)》(2016-11-01

《最後に。

昨日ので最後にしようと思いましたが、言い足りないことがあったので最後に付け加えます。

自分ではブレてないつもりでも、言葉があちこち飛び交ったのは自分の責任です。急所を自分のブログで書くのを怖れてメディア任せにしたのもいけなかった。この点、自分も身を挺しきれていなかったです。

週刊文春に掲載された記事内容は、個人的にはおおむね間違っていないように思いますが、矛盾の印象を与えそうな言葉や、本意では伝わらない恐れがある表現は、誤解を解くような努力をしなくてはいけなかったと反省しています。時間が経ってからでは状況を見て態度を変えているように思われるのも仕方がなしです。(以下略)》(2016-11-02

 ここまで書いて私は、「著名人は自分の意見を表明するツールとしてSNSを持っていた方がよい」ということを言いたいわけだが、同じ将棋界で、それがさらに感じられた“事件”が起こった。10月30日の公式戦(第2期叡王戦(ドワンゴ主催))で、トップ棋士の一人久保利明九段が対局開始時刻を勘違いして不戦敗となった。この対局はニコ生でネット中継されることになっていたから、対局観戦を楽しみにしていた久保ファンは待たされた挙句、がっかりしたに違いない。皮肉にもこの不戦敗はヤフーニュースのトップページにも掲載され、ネットの威力により多くの人の知るところとなった。

 私の知る限り、久保九段はブログやツイッターはされていないようだが、もし使っていれば直接、ファンの方々に釈明なり謝罪をできただろうに、と思う(ファンあっての将棋界である)。著名人がSNSを通じて過剰に自分を演出する姿は見ていて気持ちのいいものではないが、ここぞという時に自分の意見や考え、思いを表明するのは望ましいことであり、SNSはそのための有効なツールたりえるのではないか、と最近の将棋界の動きを見て考えた次第である。

(2016年11月11日記)

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