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2016年11月 5日 (土)

将棋・第三者調査委員会はフェアか?

 将棋・三浦弘行九段の不正疑惑について。日本将棋連盟が三浦九段に出場停止の処分を下して以降も、三浦九段が反論文書を公にしたり、週刊誌が一連の経緯と舞台裏を報じたり、当事者の一人渡辺明竜王がブログで真意を明らかにしたりと、事態は沈静化していない模様である。

 外からは処分を一方的に下した格好に見える将棋連盟は、このままではまずいと判断したのだろう。第三者調査委員会を設置することをホームページで明らかにした。以下のように、10月27日付と11月4日付の二度掲載されている。

《過日発表の通り、当連盟常務会では1012日付で、三浦弘行九段を出場停止(20161012日~1231日)の処分と致しました。

本件につきまして1024日に理事会を開催し、第三者により構成する委員会を設け、調査することを決定しました。委員長には但木敬一氏(弁護士、元検事総長)が決まりました。出場停止処分の妥当性、三浦九段の対局中の行動について、調査を要請しました。》(20161027日)

《三浦弘行九段に対する出場停止処分の妥当性や、三浦九段の対局中の行動について調査する第三者調査委員会(但木敬一委員長=弁護士、元検事総長)は本日、初会合を開催しましたので、お知らせします。

 なお、初会合開催に先立ち、永井敏雄氏(弁護士、元大阪高等裁判所長官)、奈良道博氏(弁護士、元第一東京弁護士会会長)の2人が新たに委員に選任されましたので、あわせてご報告いたします。》(20161104日)

 以上を読んで私が感じたのは、第三者調査委員会はフェアたりうるのだろうか、ということである。委員会のメンバーは、将棋連盟が選任し調査を依頼したと考えられるが、当然ながら対価を支払っての調査のはずであり、将棋連盟寄りの結論になるバイアスは避けられないのではないだろうか。

 “第三者〇〇”で思い出すのは、政治資金の私的流用疑惑で辞任に追い込まれた舛添要一前都知事である。疑問視された数々の支出について、「厳しい第三者の専門家の公正な目で調査してもらう」と連呼。しかしながら、出てきた報告書のトーンはかなりマイルドだったと記憶している。これで果たして公正と言えるのかな、と当時感じたのを思い出した。

 私の予想だが、今般の第三者調査委員会の報告によって、年内の対局をなしとした出場停止処分の妥当性が否定されることはないだろうと思う。穿った見方をすれば、将棋連盟がこれまでに取った行動と意思決定(=処分)を追認せんがための第三者調査委員会設置と見られないこともない。

 
以上のように私は、“第三者〇〇”と聞いて、無条件にそのフェアネスを受け入れられない人間である。偏屈に感じられたかもしれない。しかし、鵜呑みにせずに懐疑的な視点を残しておくのが、実はバランスの取れた見方だと思うのだが、いかがだろうか。

(2016年11月5日記)

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