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2016年11月30日 (水)

ある質問

 局面はすぐに動いた。就業時間が終わった後、責任者の方がなぜかあまり人目をはばからずに私に声をかけてきた。紙を手に持っているのが見える。私が昨日手渡した封筒に入れてあったもののようである。

 「例の件ですが……」と責任者は切り出した。「(紙に書いてあった)ご要望や質問には、基本的にこたえられると思います」。今までよりも少なくとも条件面で悪くなることはない、と言いたい様子であった。ホッとしたのもつかの間、逆に質問が一つ飛んできた。

「ところで、柏本さん、お幾つですか?」

 想定外であった。どうやら年齢は、社内推薦で派遣社員を契約社員成りさせる際、予め確認しておかねばならない点であるらしい。嘘をつくわけにもいかないから素直に答えたところ、責任者の顔が少し曇ったように感じられた。そしてこう言われた。

「(年齢については社内で)確認をさせてください」

 私の方にも、実は一つ聞いておきたいことがあった。派遣契約の期間が残っているのに、前倒しで1月から私を契約社員にしたいという理由を知っておきたかった。それでストレートに聞いてみた。責任者は踏み込んで答えてくれたのだが、それは思いもよらぬものだった。

 ここで今それを明かすことはできないが、晴れて契約社員になったとしも、業務面は楽観できない事態になりそうなことが想像できた。ここに至って私は、契約社員でも派遣社員のままでも、どちらでも構わないというフラットな気持ちになった。どちらになるかを分けるのは、私の年齢についての判断である。この判断は私の手を離れてしまっているから、あとはお任せという境地になった。

(2016年11月30日記)

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