« 母の手術 | トップページ | 母への手料理 »

2016年10月30日 (日)

黒髪を見て母曰く

 昨日の振り返りから。有り難いことに、母の術後の経過は順調で、面会可能時間ピッタリに病院に着いた私は、ベッドで暇を持て余している(であろう)母と1時間40分ほど話をした。そういえば、手術の後、早々に執刀医から「日曜日には退院できますよ」と言われていた。だから、多少ベッドで横になって過ごさないといけないとしても、母にはそれほど苦痛ということはないだろう。この日私は、新聞を渡してから病院を後にした。

 この日だったか手術前だったか忘れたが、私は母を“試験”した。母に顔を近づけて、「何か気付かない?」と試す質問をしたのだ。私が髪を黒く染めたのに気付くかどうかである。結果はというと、分からなかった。私が正解を知らせると、「あらまあ」といった表情を見せた。そして、こんな言葉を続けた。

「髪を真っ黒にすると、顔が負けるわよ」

 これには驚かされた。私が知らなかったことだった。母は特に説明を加えなかったが、私なりに解釈すると、黒い髪は“若さ”と相性がいいものであって、歳をとって皺を刻んだ顔や、艶を失い小さくなった顔とは不釣り合いになる、ということである。それで、下手をすると不自然に見えるよと母は注意喚起をしたのだ。

 私は、実家の鏡で改めて自分の顔を見つめてみた。幸い、まだ黒髪と顔のバランスに違和感を覚えなかった(もっぱら私の主観だが)。ただ、あと何年“賞味期限”が残っているだろうか、と思った。さすがに十年も経てば、真っ黒は強すぎるような気がするから、茶色を混ぜた方が無難かもしれない……、いや、十年すれば染めるだけの充分な髪が残っているかどうかの方が怪しいか……などと考えた。

 
私をよく知る人は、外見へのこだわりが特にない私がこんなつまらぬことに頭を使っているとはよもや思うまい。それを分かっていながらも、なぜか私のおしゃれ心は尽きないのであった。

(2016年10月30日記)

« 母の手術 | トップページ | 母への手料理 »

親・実家」カテゴリの記事

趣味・嗜好」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/573382/64432034

この記事へのトラックバック一覧です: 黒髪を見て母曰く:

« 母の手術 | トップページ | 母への手料理 »