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2016年10月21日 (金)

仕事を一人に任せる危うさ

 人からこんな話を聞いた。その人は試験監督の仕事をしていたが、受け持った試験教室で、ペアを組んでいた人が休憩を取って外している間、一人で約100人の受験者を担当する時間帯があったという。そしてある時ふと、手を挙げている受験者が遠くに見えたので急行すると、「体調が悪くなったため試験を中断して帰宅したい」とのことだった。

 この人はその受験者をすぐに試験本部に連れていき、大事を取って帰ってもらったため、誰が見てもきちんとした対応をしたわけだが、気になったことがあったらしい。それは、「受験者がどれ位の時間、手を挙げ続けて助けを求めていたかが分からなかった」ということである。受験者は何も不満を口にはしなかったらしいが、何分間も手を挙げっぱなしにしていた可能性もなくはない。

 思うに、たった一人で100人もの人の動きを絶えず見続けるのは困難だという気がする。ペアの人の休憩時には、交代要員がそのポジションに就くべきなのだ。そういう人繰りを試験の運営サイドが考えなかったのは、監督員スタッフの人数を抑えようと、つまりはコストを抑えようとしたためだろう。

 この話が示唆した問題点は、試験監督に限らず、色々な業務で言えることである。「君に任せた」「あなただけが頼り」といった感じで一人の人間に仕事を任せきるのは、格好良く聞こえるところがある上、任された側も意気に感じるかもしれないが、実はとてもリスキーなことである。どんなに“できる”人でも、ヒューマンエラーの可能性はついて回る。そこをよく理解しておかないと、任せたはいいが、サービスレベルの低下、事故の発生、仕事に携わる者の疲弊など、不味い事態を生みかねない。

 そう、今日書いたことは、2年程前にブログで取り上げた外食産業のワンオペの限界にも通じる話である。

(2016年10月21日記)

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