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2016年10月 5日 (水)

現場力の強さ?

 昨日の引用に《日本の組織における現場力の強さ》というものがあった。しかし、こちらにはかなり翳りが見られるように思えてならない。私自身、こんな経験をしたことがある。

 ある単発仕事でのこと。二十数人が集まる現場に、定刻に一人が姿を現さなかった。30分ほど遅刻する旨の電話が途中で入ったが、到着したのは集合時間から遅れること1時間10分。二十代らしき女性が、汗ひとつかかずに平然と歩いてきた。遅刻の理由は、「電車に反対方向に乗ってしまい、気付いて途中で引き返したものの、今度は降りる駅を乗り越してしまった」というものだった。

 当然、こういう人が一人出れば、現場の仕事にはしわ寄せが生じる。朝から人繰りがタイトになって、仕事場全体の空気も微妙に悪くなるのだ。なのにこの人は、自分のミスを挽回しようというそぶりすら見せなかった。一貫して受け身のスタンスで、一日仕事をしたのである。

 
思うに、現場が“オール正社員”の時代から、短期契約等で雇用した社外の人たちを積極活用する時代になって、日本企業の現場力はかなり落ちたのではないだろうか。社外の人たちがみな問題ありということではない。が、昔のように現場で働く者が創意工夫しながら協力して仕事に取り組む風土が、色々なバックグラウンド、職業観・勤労観を持つ人たちが加わることによって、失われたように思うのだ。

 今日は少しバイアスのかかった書き方をしたかもしれない。しかし、と思う。数十年前、1時間10分も遅刻して悠然と歩いてくる社員が日本にいただろうか? 寡聞にして私は聞いたことがないのだ。もはや日本企業全般について、現場力をアピールポイントとするのは無理があるように思えてならない。

(2016年10月5日記)

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