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2016年8月 8日 (月)

『広がる“ブラック部活”』を観て(番外編)

 『「死ね!バカ!」これが指導? ~広がる“ブラック部活”~』(クローズアップ現代+)を観て、テーマとは別のところで違和感を覚えたところがあった。それは、コメンテーターとして登場していた名古屋大学大学院准教授Uさんの“金髪”である。

 U
さんは教育者の立場からためになることを仰っていたように思うが、私は染め上げられた金髪が気になって仕方がなかった。一言で言えば、教育を扱う公共の場に金髪がそぐわないと感じたからである。「あなたは古い、時代はもう違う」と言う向きもあろうが、果たしてそうだろうか。学校の入学式で祝辞を述べる校長先生が金髪だとしたら、子ども並びに親御さんはどう感じるだろうか。「就活にはどんな格好で行けばいいですか?」と学生に質問された場合、金髪先生はどうアドバイスするのだろうか。

 面白い話がある。以前このブログで紹介したことのあるエピソードだが、大変興味深いやりとりなので再掲したい。

《茶髪問答がある。就職活動前の大学生が、「なんで黒くしなければならないのですか?」と聞いてくるのだ。反発でなくて、純粋に訳を知りたがる。自分で考えなさい、と突き放したいところだが、このケースは前述の質問魔とは違う。だから私は、

「髪の毛の色がキミのすべてを表すわけではないが、仕事をするときにキミの個性を認めてくれる人もくれない人もいる。特定の人がOKで特定の人がNGというときに、不特定多数を相手に何かを提供する側の者としてどうなのかね?」

と、ていねいに答える。これでたいてい納得する》

(『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』(2011年発行、沢田健太著、ソフトバンククリエイティブ))

 私はこれと全く同じことを思う。准教授Uさんの“金髪”をNGと思う人がいる時(現に最低一人はいる、この私だ)、金髪は、不特定多数の視聴者に向かって教育に関するメッセージを伝える者の態度としてどうか、と思わずにはいられないのである。

 「人を見かけで判断してはいけない」と言うならば、これは現実から遊離した詭弁に近い。見かけには当人の価値観や嗜好がある程度反映しているし、少なくとも第一印象の段階では、人を見かけで判断するのが現実社会である。また、NHKは金髪を認めるほどまでに柔らかくなったのか、と別の驚きも禁じ得ない。広い教育の世界から、“金髪でない識者”を見つけ出すことが不可能だったとは私には思えない。

 人間は本来自由な存在であり、社会は多様な価値観を重視するものであるべきと私は常々考えてきたが、それでも“ふさわしさ”が求められる場面はあると思っている。テレビで堂々たる金髪を目にした私は、自分の思考がまだ浅いのか、何か足りない視点があるのかと疑ってもいるのだが、そういうことを考えさせる教育効果まで見越して出演されたのならば、准教授Uさんは大した御仁である。

(2016年8月8日記)

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