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2016年7月10日 (日)

ある父と娘の話

 ある日、同世代(と思われる)男性と話をしていた時のこと。こちらから話題を仕向けたりしたわけではないが、男性曰く、子どもの教育費がかかって大変だという。大学生、専門学校生の二人の学費がダブルで効いてきて、年間百万円ものお金が出ていくらしい。「これは愚痴の話になるのかな?」と思って聞いていると、そうはならなかった。

 大学生の娘さんは現在就活をしていて、すでに内々定をもらっているという。決まった先は誰もが知っている(聞いたことがある)有名な大企業である。「親として一安心ですね」と言うと、「娘には他に大本命があるらしく、まだ就活を続けています」と返ってきた。どうやら第一志望は別の業界のようである。ここまできて、深刻な話にはならないと私は理解した。

 暫くして、その娘さんが現れた。初対面となる私が近くにいたせいか、父親に向かって丁寧な言葉で話しかけていた。私はその言葉遣いや振る舞いを見て、さすが内々定を取っているだけのことはあるなと思った。入社する会社に3年辞めずにいられれば、立派な社会人になっていることだろう。

 このあたりで私はあることに気付く。男性は教育費のことを愚痴りたかったのではない。しっかり育った娘が、ちょっぴり誇らしかったんだろうな、と。もっとも、それが嫌味とか高慢さを感じさせなかったのが良かった。世の中、オジサンになった父親から距離を置く娘さんは多いようだが、この日はなかなかいい親子の姿を見た気がした。

(2016年7月10日記)

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