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2016年7月24日 (日)

“ヘアハラ”

「髪切ったんですね」

 
ある朝職場で、普段からよく話をする複数の女性から相次いでこう言われた。2ケ月分、長さにして約2センチ床屋で切ってもらったから、こういう挨拶を招いたのだろう。もちろんこれには、「髪が短くなってさっぱりしましたね」という意味が言外にあるから悪い気はしない。ただ、私が「はい」と返事をしただけでは会話が続かず、自分のせいで興ざめになるから、ちょっとひねった答え方をしてみた。

「はい。でも髪を切る前は、よっぽど酷かったってことですよね!?ヘアハラですよ、ヘアハラ!」

 ヘアハラ(ヘア・ハラスメント)は、急ごしらえの造語である(もし既にある言葉なら、私の勉強不足です)。読者諸賢のご想像の通り、私は彼女たちに本気で怒ったわけではない。「男の頭なんて、そんなに見ないでくださいよー」ということを、冗談めかして伝えただけだった。

 始業時間までまだ少し時間があった。そこで私は調子に乗って畳みかけることにした。


「本当は、仕事のお昼休みに、駅前の○B○ウスに行って15分で切ってもらおうかとも思ったんですけどね。そこまでは勇気がなくって……」

 これは女性陣の笑いを誘った。午後の仕事に戻ってきた同僚が、ボサボサの長髪から周囲を刈り上げた短髪に変貌している姿をイメージしたのだろう。「それ、おもしろーい!」と高評価の反応が返ってきた。しかし私は、それを真に受けて、「じゃあ次回やりますね」とは宣言しなかった。この年齢になれば、そこまでして笑いを取りにはいきません、ということである。有り難いことに、その時ちょうど朝礼が始まって、この話は終わりとなった。

(2016年7月24日記)

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