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2016年6月 9日 (木)

小2男児のたくましさ

 親のしつけが原因で、小学2年の男児が北海道七飯町の山中で行方不明になり、6日ぶりに保護された一件について、少し書いておきたい。「事件性なし」ということもあり一件落着、メデタシメデタシだが、一連のニュースを見て私の頭に二つの思い出が蘇ってきた。

 一つは、私が小学1年か2年の時、学校の帰り道に、近所に住む同級生の男の子1人、女の子1人と3人で雑木林に探検に行ったことである。時間など気にせず遊んで、日が暮れてしまったころにのこのこと家の近くまでやってきたのだが、大勢の大人が道に出て集まっており、ただならぬ雰囲気である。私の親をはじめとして、「子供たちが帰ってこない」とお騒ぎになっていた。“行方不明”となっていた私は、その夜家で親から怒られたかどうか全く覚えていないが、夜七時頃だったか、五歳年上の兄が心配する大人に混じって、自転車にまたがって私を探していたのは記憶に残っている。

 二つ目の思い出は、大学時代のものである。福井県に住んでいた中学からの友人のもとへ遊びに行った時のこと。誘われて名所の東尋坊に一緒に向かい一周したのだが、再び夜に車で訪れた時は東尋坊の威容に圧倒された。確か陸側から橋がかかっていたと思うが、その向こうに巨大な黒色の塊があって空間を支配していた。日中は単に緑の森にしか見えなかった東尋坊が、夜は恐ろしくて近づく気すら起きなかった。真っ暗な自然を前に、ただただ恐怖を感じた。

「進んでいけば、きっと戻ってこられないに違いない」

 以上の記憶が蘇った後、北海道の男児がたくましく思えて仕方がなかった。たった一人で山の中を歩き続けたことも、真っ暗な夜を一人で何夜も過ごしたことも、子ども離れしている。この子が置かれた環境は、大人だって心細さのあまり、泣いたりへたり込んでしまうようなものに思えるのだ。

 今回の一件は、事の大きさに比して世間が騒ぎすぎた感があるが、あまりに稀有な体験は男児の記憶に間違いなく残るに違いない。これからの人生において、何かプラスに作用すればいいが(例えば、孤独に耐える自信がついた)……などとお節介にも思った次第である。

(2016年6月9日記)

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