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2016年6月 6日 (月)

読書で抱く思わぬ感想

 本を読んでいて、本文以外の箇所で思わぬ感想を抱くことがある。最近立て続けにそんな経験をした。一冊目。あとがきにあった次の一文に「ん?」と思った。

《あなたにも幸せになっていただきたいと願って、この本を書かせていただきました》

(『ヒマラヤ聖者の太陽になる言葉』(2015年発行、相川圭子著、河出書房新社))

 これは、読者を“あなたは幸せではない”と決めつけているかのように感じた。著者の人となりまでは分からないが、へそ曲がり人間の私は、こうした文章を書けるのはよほどの善人か、よほどの自信家か、よほどのペテン師的才能の持ち主か、よほどの勘違い人間かと思ってしまった。少なくとも私は、会ったこともない人に向かって、「あなたにも幸せになっていただきたいと願って……」とは、歯が浮くような感じがして、発することができない。

 二冊目は、著者プロフィールにあったくだりである。

《土屋賢二 1944年岡山県玉野市生まれ。(中略)35年にわたって哲学を教え、現在、お茶の水大学名誉教授。哲学のかたわら、50歳のときユーモアエッセイ集「われ笑う、ゆえにわれあり」(文春文庫)を出版したのを皮切りに、(中略)多数のユーモアエッセイ集と、(中略)少数の哲学書を発表、いずれも好評のうちに絶賛在庫中。他に「幸・不幸の分かれ道-考え違いとユーモア」(東京書籍)(中略)などを矢継ぎ早に発表し、在庫に花を添えている》

(『哲学者にならない方法』(2013年発行、土屋賢二著、東京書籍))

 こちらは、真面目が当たり前の著者プロフィールにおいて、《絶賛在庫中》、《在庫に花を添えている》というのがスパイスが効いていて、たまらなく可笑しかった。こんな秀逸なユーモアセンス、ブログでつい批判や皮肉が多くなりがちな私にもあればなぁと思った。

(2016年6月6日記)

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