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2016年4月26日 (火)

結婚に保険をかける

 昨日のテーマで思い出したことを記しておこう。今は付き合いが切れてしまったが、私と同年代の男性から聞いた話である。もう随分前のこと、彼は自分が惚れて恋愛結婚した相手と別れた。ずっと奥さんにベタ惚れの様子だったから、彼が離婚したと知った時はびっくりしたが、その後さらに驚かされた。彼はほどなく再婚したのだが、そのいきさつを聞いたところ、こんなことを教えてくれたのである。

「こういう事態(=離婚)に備えて、結婚したいと思える女友達をキープしていたんだ」

 つまり、離婚した後に、好意を持ち続けていた女友達にアプローチをして再婚にこぎ付けたというわけである。この“女友達をキープする”という発想は私にはないものだった。もちろん、その女友達を独身のまま拘束することはできないから、途中で離れていってしまう可能性はあったはずだが、友達としての関係を切らさないようにしたのは、マメな人間でなければできなかっただろう。

 
彼のやり方はちょっと狡く見えなくもない。しかしよく考えてみると、こういう保険のかけ方は責められるべきものでもない、と思えてきた。というのも、彼の場合“ダブっていた”時期はなく、「今の妻(夫)とはいずれ別れるよ(わ)」と言って世の既婚者が二股、三股をかける不倫の方が、余程人道にもとるためである。また、婚活も就活と同様に“活動”であると割り切って捉えれば、第一希望、第二希望……があってもおかしくない。第一希望が叶わなければ、第二希望に力を入れるだけのことだと言える。

 このような割り切り方をしてみた私だが、妻との別離が他人事ではなくなったらどうするのだろうか、と考えた。再婚を果たした漫画家の蛭子能収さんは、著書『ひとりぼっちを笑うな』の中で心情を明かしておられるが、奥さんに先立たれた後、《本当に寂しくて仕方がなかった》と孤独を感じて再婚を願うようになり、別人のようにアクティブになっていったという。

《女の人に自分から声をかけることなんて、生涯で一度もしたことがなかったのに、そのときは積極的にあちこち顔を出して、片っ端から声をかけてアタックしまくっていました。いままでもらっていたファンレターも全部読み直して、もしそこに電話番号とかが書いてあったら、積極的にこちらから連絡を取ってみたり……。(中略)
 
 いまの妻に出会えたのは、そんなタイミングだったんです》

(『ひとりぼっちを笑うな』(2014年発行、蛭子能収著、KADOKAWA))

 
私の場合、現在の妻が何らかの事情でいなくなり会えなくなってしまったら……。私は冒頭の彼のように保険をかけていないし、打ちひしがれて独りで生きるのか、蛭子さんのような大胆な行動に出るのかも……皆目分からないでいる。

(2016年4月26日記)

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