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2016年3月 5日 (土)

学生を採用する側の視点

 経団連の採用指針で、会社説明会など『広報活動』が3月1日に解禁された。これにより、2017年春卒業予定の大学生らを対象とした大企業の採用活動が始まったことになる。今は「売り手市場」になっていると言われ、学生はついている面があるが、学生の志望は一部の人気企業に集中しがちであることを考えると、どの時代も就活は大変だろうと思う。

 なぜ自分がこの本を手に取ったのか思い出せないが、『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?-人気企業の「手口」を知れば、就活の悩みは9割なくなる-』(2015年発行、海老原嗣生著、東洋経済新報社)に、その通りだなあと感じた内容があった。それは企業が学生を見るポイントで、大きく2点しかないという。それは、《仕事がきちんとできるか》と《仲間とうまくやれるか》である。

 大変古い話で恐縮だが、私が就職活動をした際も、そういう視点で人物評価が行なわれていた気がする。《仕事がきちんとできるか》はかなりの部分、学歴がプラスに作用したと思うが、《仲間とうまくやれるか》はスムーズにいかなかったようだ。私は大学時代に部活をしていたため、自分としてはそこが問われるとは思っていなかった。が、私を推してくれたリクルーターから後に聞いた話では、面接した方々の私への見方(=評価)は割れたという。《仲間とうまくやれるか》は、言い換えれば《その学生と一緒に仕事をしたいか》ということである。

 晴れて入社して自分が採用活動に関わるようになってから、頻繁に耳にするようになった言葉がある。それは、“いいやつ”である。学生と会ったリクルーターが「彼はいいやつだ」と言えば、そこには《その学生と一緒に仕事をしたいか》に対する肯定的なニュアンスが含まれていた。“いいやつ”かどうかの判断は、人間の相性が影響する主観的なものである。しかし、実際に採用を決める上で大きなウエイトを占めていたし、今の採用活動でも大切だろうと思う。《仕事がきちんとできるか》をハードの部分とすれば、“いいやつ”を含んだ《仲間とうまくやれるか》はソフトの部分で、車の両輪をなしている。

 総じて、学生は情報も知恵も社会経験も不足しているから、周囲の友人達の動きを見ながら恐る恐る就活をせざるをえない面があろう。だが、少し物事をシンプルに考えれば、採用する側の視点は、《仕事がきちんとできるか》と《仲間とうまくやれるか》に収斂すると言っていい。そう考えることができれば、自分が面接相手とどうコミュニケーションし、何をどのようにアピールすればいいか、戦略を練りやすくなる。「まだまだ学生です」という就活予備軍の人も、そういう点を意識しながら学生生活を送るのがいいと思う。

(2016年3月5日記)

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