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2016年3月11日 (金)

兄に貰ったもの

 二日ほど前、兄から携帯に珍しく電話があった。事前に実家の母から「電話がいくかも」と聞かされていたので驚かなかった。出てみると、母が言っていた“電話の子機の件”だった。長らく故障していた実家の子機を兄が修理しようと、前に持ち帰っていたのだが、家電量販店での修理が終わったので、帰省する私に持っていってほしいという内容である。待ち合わせは東京駅となった。

 10日当日。11時半頃、東京駅まであと数分の宇都宮線の車内で、携帯が鳴った。即、私が乗る東海道新幹線の改札(中央口)で会うことが決定。兄弟二人で待ち合わせをするなんて、いつ以来であろうか。全く思い出せない。私は奇妙な緊張感を覚えた。

 数分後、すんなりと兄に会え、子機の入った百貨店の手提げ袋を受け取った。その時、思いがけず兄はこんなことを言った。

「弁当買っておいた。袋の中に入ってるから」

 サプライズである。実家へ子機を持ち帰る手間賃という意味合いだったろうが、こんな気遣いをしてもらうとは思わなかった。仕事を抜けてきたはずの兄とは、延べ1分に満たないやり取りの後、別れた。

 ここで私が、「新幹線の車中でそのお弁当を美味しく頂いた」と書けば、今日の日記は終わりとなるのだが、そうはならなかった。兄にはその時も後にも言わなかったが、私は朝、家でお弁当を作り持参していたのである。その日妻は仕事があったから、一緒に二人分のパン食(ベーグル)を用意したのだった。

 お昼に二食分食べられないこともないが、若くはないので無理はしない方がいい、そう思って兄の弁当には手を付けずに実家まで持っていくことにした。事前に母には、「夕食は作らなくていいよ。途中でお弁当を買って帰るから」と伝えてあったので、夜用に買うお弁当の量を少し抑えればよいだけである。

 そもそも私がお昼用にパン食を用意したのは、節約が目的ではなかった。昼は貰ったお弁当、夜も外で買ったお弁当となるのは、代わり映えがしないと思ったまでである。ただ、そんなことを兄は知る由もない。まさかわざわざお昼を持参しているとは思いもしなかっただろう。人に講釈を垂れるような話ではないが、つまるところ、人の考え方、趣味・嗜好は様々なのである。

(2016年3月11日記)

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