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2015年12月 4日 (金)

増殖する女子力男子

 今はこんな世の中になっているんだ、と思ったことがあった。数日間に亘る短期仕事の現場で、一緒に仕事をした若い男性から、休憩時間に「どうぞ」とお菓子を一つ渡された。見ると、黒い包みに入った『キットカット オトナの甘さ』である。その翌日には、昔一度仕事でご一緒したことのある年上の男性から、「これどうぞ」といきなり手を差し出された。反射的に受け取ると、またも『キットカット オトナの甘さ』であった。

 頂いたお菓子の銘柄がかぶったのは、おそらく単なる偶然である。私を考え込ませたのは、男性が仕事の現場でお菓子を配って回るという行動である。批判を恐れず率直に言えば、「まるで女子ではないか」という感想を今も私は拭えないでいる。

 既に『女子力男子』(2014年発行、原田曜平著、宝島社)という本が上梓されているように、 女子力を身につけた男子が増えつつあるらしい。一般的な傾向として女性が見せる肌理細やかな気配りを男性が見倣って……ということならば、歓迎すべき傾向かもしれないが、どうも私にはしっくりこない。これは私の勤労観に繋がることでもあるのだが、私はお菓子の有無を仕事とは関係のないもの、と考えているのが一因である。契約上定められた業務、決められた仕事をやり遂げるのは当たり前のことであって、お菓子がなくてもやることはやる。だから、自分も先の男性二人に倣って同じことをしようとは思わない。

 いや、私は女子力ならぬ“男子力”の方に重きを置いている。女性が多い職場だと、数少ない男性の力が重宝されることがある。大きな荷物を運んだり、積み重ねたりするイレギュラーな作業が発生した場合、躊躇なく「やりましょう」と一歩前へ出ることができるのである。自慢ではないが、「柏本さんがいてくれて助かりました」と言われたことは、一度や二度ではない(いや、自慢か)。

 体力の衰えと戦う年代にきている私だが、気負った表現をすれば、“男子力男子”(男子力の高い男子)としてやっていくつもりでいる。これから、力仕事を厭わない男性が減っていく社会になればなるほど、その希少性は際立つのではないか、と考えている。

(2015年12月4日記)

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