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2015年12月 6日 (日)

最近のアルバイト事情

 人から聞いた話である。アルバイトの現場でなかなか人が集まらず、時給も上昇しているという。土日に行なう某職種では、それまで学生アルバイトが中心でこなしていたが、今や求人に応募してくるのは社会人ばかりらしい。肝心の学生の行き先だが、外食産業が時給を引き上げることで、取り込みを図っているということである。

 学生からは、塾講師のバイトというのも敬遠される方向にあるようだ。表面上の時給は他のバイトよりもまだ高そうだが、生徒相手に授業をするには予習が欠かせない。予習に費やすその時間は勤務時間に含まれないから、実質ベースの時給を計算するとかなり低くなりそうである。それで結局、教えることが本当に好きな人くらいしか、高いモチベーションを保って塾講師を長く続けられない、とのこと。

 以上から判断すれば、学生など人が集まらなくなった業種や企業は、おそらく大変な状況にあるのだろう。どんな事業も、担い手が足りなければきちんと遂行することができないから、業者にとっては死活問題とも言える。こう書くと否定的に聞こえるが、私は今起きていることは、社会全体で見れば歓迎できるところが大きいと考えている。

 というのも、求人が増えて時給が上がれば、いわゆる“ブラックバイト”が成り立ちにくくなると思うからである。学生の足許を見て低賃金で長時間働かせることは、困難になる。時給アップを含む待遇改善をしなければ、大抵の学生はそのうち割のいいバイトに流れていくだろう。

 ただこの場合、気をつけて見なければいけないのは、ブラックバイト問題が鎮静化に向かったとしても、それは環境要因に依るものであって、問題の根本が改められたというわけではない、ということである。今後また景気が悪くなり、アルバイトの需給が緩むようなことになれば、ブラックバイトはゾンビのように勢いを増しかねない。ゆえに、環境要因以外での取り組みとその成果の検証が大切、ということになると思う。どんな時代でも、十分な情報、知恵、勇気を持たない学生を消耗品のように使い捨てにする社会であってはならない。

(2015年12月6日記)

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