« 父のこと(3) | トップページ | イモリ騒動 »

2015年10月 1日 (木)

肩虫(かたむし)が誘った思い出話

 父の葬儀で帰省している間、悲しいことや大変なことばかりだったかというと、幸いなことにそうではなかった。普段の日常とは違うため、ちょっと興味深いことや面白いことも少しは起きたのである。今日から数日間、そんなことを綴ってみたい。

 葬儀会場において、年賀状のやりとりばかりで二十年以上お会いしていない親戚の方々と再会した。その中で、比較的年齢の近い従姉(いとこ)のMさんが、お通夜が始まる前に姿を現した。そして私を見つけると、肩を指差して、開口一番こう話しかけてきたのである。

「あっ、肩虫!」

 私は顔では苦笑しながら、内心では大爆笑していた。従姉にブログを読まれているという気恥しさが一瞬湧き起こったが、すぐに嬉しい気持ちが圧倒して心の中に充満した。Mさんは次のブログを読んでいたのである。

■9月15日『妻の口撃』

http://minato-kashiwamoto.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6474.html

 私は肩を指差すユーモアセンスに脱帽した。本当に長い間会っていなかったのに、真っ先に「あっ、肩虫!」などとは、なかなか言えるものではない。

 あとの食事時だっただろうか、Mさんは私との思い出話を披露してくれた。四国にあるMさんの家で、私はチャイナドレスを着てはしゃいでいたという。これは私もはっきりと覚えていた。小学生の頃、夏休みだったと思うが、Mさんの家の二階で、チャイナドレスを着て扇子を手に持ち(要は女装)、写真を撮ってもらったはずである。やんちゃな子ども時代の記憶を共有していたことは嬉しかった。

 お返しにというわけではないが、今度は私の方から別の思い出を披露することにした。Mさんのご家族が私と母を駅までマイカーで迎えにきてくれた時のこと。尾籠な話で恐縮だが、私は乗って暫くして、車酔いのため車内で吐いてしまったのである。私は中学三年になるまで車酔いがひどく、この時も乗り込む前から嫌な予感がしていたのだが、その通りになってしまった。酔いに耐え続けるつもりで母に助けを求めなかったから、ビニール袋が間に合わなかった。Mさんのご家族に大変迷惑をかけたことは間違いない。

 この話をすると、Mさんは最初、「そんなことあったかしら?」という反応だったが、暫くしてから「思い出したわ」と言われてしまった。それで私は、「言わなければよかった」と思った。私の話が、閉じられていたMさんの記憶の引き出しを開いてしまったからである。肩虫話が高評価(?)だったから、余計なイメージダウンを招いて失敗であった。

(2015年10月1日記)

« 父のこと(3) | トップページ | イモリ騒動 »

ブログ」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

親・実家」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/573382/62392433

この記事へのトラックバック一覧です: 肩虫(かたむし)が誘った思い出話:

« 父のこと(3) | トップページ | イモリ騒動 »