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2015年10月 3日 (土)

兄の生真面目

 兄とはこんなこともあった。無事に父の葬儀が終わった翌日の夜、実家でお風呂の“譲り合い”があった。沸かしたお風呂に誰から先に入るかである。前の日、葬儀会場に泊まった我が愛妻は、慣れない場所だからとお風呂に入っていなかった。これがこれからの話の大前提になる。

 母は家の戸締りの関係上、最後にお風呂に入ることが決まっていた。そこで、“譲り合い”合戦を演じたのは、兄と妻だった。次のような会話が展開されたのだった。

兄:「お風呂、Mさん(=私の妻)からどうぞ」

妻:「私、昨日入っていないので、お兄さんから先にどうぞ」

兄:「いえ、レディーファーストですから」

妻:(背中をタオルでこするジェスチャーを見せながら)「ボリボリしちゃうかもしれませんよ」

兄:「綺麗に入ってください」

 ここまで読んでお分かりだろうか。妻の「ボリボリしちゃうかもしれませんよ」は冗談である。本心は「お風呂でボリボリ皮膚を掻くわけないわ」であって、要はボケてみせたのである。従って妻は、兄が笑ってこの話を終わりにするか、あるいは「そんなことないでしょう!」とツッコミを入れてくる、という反応を予想していた。それが、額面通りに「ボリボリする」と受け取られてしまい、「綺麗に入ってください」という発言(名言?)が生まれたのだった。「不潔じゃないのに」と言う妻から後でこのやりとりを聞いて、私は笑いを禁じ得なかった。

「綺麗に入ってください」には兄の真面目さ、いや生真面目さが現れているといっていい。ブログで取り上げたのは、兄を貶める目的ではなく、純粋に楽しめるエピソードとして完成度が高かったからである。勿論、いつの日か兄が今日のこのブログを見て、機嫌を損ねないか心配ではある。ただ、その時こそ是非、生真面目さに打ち克って、笑って受け流してほしいと願っている。

(2015年10月4日記)

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