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2015年10月 7日 (水)

モテ期

 九月に一週間ほどいた実家では、アルバムを幾つか引っ張り出してきて古い写真を見た。デジカメどころか、カラー写真もなかった時代に撮られたものもある。そして、社会に出てまだ間もないと思われる父の姿を見て、改めて父はハンサムだったと思った。昔から母は、「お父さんは面長で、格好良かったわ」と言っていた。若かりし頃に限定されるが、太る前は確かにそうだなあという感じがした。

 アルバムには母の姿も登場する。そして、ある写真が目に留まった。甥っ子か姪っ子を抱いた若い母の写真である。はにかんだ優しい笑みを浮かべ、とても綺麗だった。失礼ながら、私は母を美人だと思ったことがなかったから、白黒のその写真は母のイメージを一新するほどの力があった。

 驚き冷めやらぬうちに、私は母に「写真を見たよ。若い頃は綺麗だったんだね」と伝えると、こう返ってきた。

「そうよ。知らなかった?若い頃はモテたのよ」

 父と母はお見合い結婚で結ばれたが、父は母をひと目で気に入ったというから、やはり実際にモテていたのだろう。母は何十年か後に生まれていれば、モテ期を上手く活かしてもっと華やかな青春を送ることができたかもしれない。あいにく当時は、自由な恋愛が許される時代ではなかった。

 さて私。ハンサムな男と綺麗な女性の間に生まれた子どもということになるが、容姿は人並みで、二人の美形の恩恵を受けた記憶がない。女子に人気があったのは、バレンタインデーに沢山チョコレートをもらった小学校時代にまで遡る。しかもこの時すでにピークを打ち、あとはずっと長期低空飛行である。加齢と闘っている今は、美意識だけは高く持ち、抜け毛と肥満を敵として日々節制(?)しているが、モテ期はもうやってこない……。

 以前、雑誌に掲載された顔写真には、ほうれい線が映っていて残念であった。そんな私に、妻は“Mr.ほうれい”というあだ名を付けた。可愛らしいと言えなくもないが、これは私が愛されキャラ化しているためであって、女子にモテているのとはわけが違う。そう考えると、やっぱり残念である。モテ期はもうやってこない……。

(2015年10月7日記)

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