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2015年10月15日 (木)

消えた『将棋竜王戦』のテレビ中継

 本日15日から将棋の第28期竜王戦七番勝負が始まった。将棋にはタイトル戦が7つあり、それぞれ一年に一度戦われるが、秋から冬にかけては竜王戦の季節である。今回は、若き糸谷哲郎竜王に、元竜王の渡辺明棋王がタイトル奪還に挑むという、将棋ファンには大変興味深い顔合わせである(ファンではない方には伝わりにくいと思います。すみません)。

 数日前、テレビ番組の録画予約をしていた妻が、重要な情報を教えてくれた。今年の竜王戦は、NHK(BS)の中継がないというのである。私もネットで番組表を探してみたが、やはり見つからなかった。これまで毎年、二日間に亘る対局を録画して観るのを楽しんできたので、残念で仕方がない。

 今は、将棋の棋譜も対局の様子もネットで観ることができるから、テレビ中継の独自性、ひいては存在意義に疑問符が付けられるようになったのだろう。ネットに押されたテレビの退潮傾向がこんな形で現れているのだ、という感じがした。テレビ中継しない決定につき、関係者の間でどういうやりとりやプロセスがあったのか外部からは分からないが、日本将棋連盟が“中継せず”を受け入れたことは間違いないだろう。こうなると、来年以降の中継復活も望めそうもない。

 日本の伝統文化である将棋の発展には、普及やファン層の拡大が不可欠であり、日本将棋連盟の活動の大きな柱はここにあるが、メディア戦略として、ネットへの傾斜を強めテレビ放映の比重を落とすということは、つまりは“子ども・若者重視、中高年・高齢者軽視”ということだと読めてしまう。私は将来の高齢者予備軍として、少なからず失望している。

 来春には、竜王戦に次ぐビッグタイトルである名人戦が開幕する。歴史を見れば、竜王戦よりも名人戦の方が遥かに長く、格式があるが、こちらのNHKのテレビ中継も危ういかもしれない。そうなると、名人戦が行われる日には、外出など何の予定も入れないように気をつけて、ネットで視聴せざるをえなくなりそうである。

 
ここまで書いた後、パソコンで竜王戦の中継ブログを読み進めた。すると、《NHKのBSプレミアムでは、七番勝負終了から1~2週間前後をめどに「激闘!将棋竜王戦 ~第28期将棋竜王戦ダイジェスト~」が放送される予定》という文章に遭遇した。中継ではないが、総集編のような番組を組むということだ。NHKで、なんとか竜王戦関連の放送枠が最低限確保された、ということか。このダイジェスト番組までもが、来年なくなっていないことを切に願うばかりである。

(2015年10月15日記)

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