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2015年9月18日 (金)

告別式

 棺に横たわる父の身体の回りを、父がたしなんでいた書道の筆や洋服、お花で埋め尽くし、頭にはお気に入りだったベレー帽をかぶせてあげる。好物だった巨峰も添える。綺麗に整えられた顔の他は綺麗で温かなもので見事に覆われている。棺の蓋を閉めるとき、いよいよお別れなんだという厳粛な気持ちに襲われる。

 出棺の際は、父が好きだった坂本九さんの『上を向いて歩こう』を流してもらう。少し明るすぎる曲調を心配していたが、司会の方が「お父様が好きだった曲です」とマイクで説明を加え、音量を控えめにしてくれたおかげで、違和感なく聴くことができた。この曲は生前より父のリクエストであった。

 お骨上げまで済ませ、母と何度も「お父さんの望むように送ってあげられたね」と確認をする。葬儀で飾った遺影の写真も、父が亡くなる何年も前から「自分の葬儀用に使って欲しい」と言っていたもので、二十年ほど前に撮った元気なころの笑顔であった。振り返ると、父の希望に沿った葬儀になったと思う。

(2015年9月18日記)

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