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2015年9月17日 (木)

お通夜

 父の顔はとても穏やかだった。数週間前に会った時よりも頬がこけていて可哀想に思えたが、まるで高僧のような落ち着いた表情をしていてホッとした。母の話では、病院の方曰く、苦しんで息を引き取ったのではなかったそうだから、天寿を全うしたということだと思う。

 父が約二年間もの間お世話になった病院を離れる時、二十名ほどいらっしゃっただろうか、病院の方々が葬儀会社の送迎車を見送ってくださった。これには胸を打たれた。回復の見込みのない父を長い間診て下さった方々が、事務的どころか敬意をもって見送って下さる。感謝の言葉しか浮かばない。

 お通夜に先立ち、葬儀の祭壇が完成。父が定年まで勤めあげた会社、兄が勤めている会社からのお花も間に合い、祭壇がとても立派で安心する。「お父さん(夫)にみすぼらしいお葬式というわけにはいかない」と気をもんでいた母も、沢山のお花が飾られた様子を見て安堵の表情を浮かべる。

 夕方になり、親戚の方々が次々と到着。年賀状のやりとり程度で不義理をしていた私は、本当に久方ぶりに会う方ばかりで恐縮する。妻の兄も仕事の後に駆けつけて下さる。有り難い限りである。

 遠路はるばる車でお越しになるお寺のご住職の都合で、お通夜は夜八時を過ぎた遅い時間にスタート。ただ、葬儀会社の機転で予定を変更し、セレモニーを先に実施。父の生前の写真を映像で見たり、一人一人がマイクを手に父へお別れの言葉を語りかける。感極まって父の遺影に話しかけた兄に続いた私は、「あまり親孝行せずすみませんでした」と反省の言葉を絞り出すのが精一杯であった。

(2015年9月17日記)

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