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2015年7月24日 (金)

小さいことにこだわらない

 面白いことがあるものである。以前、ある職場で隣の席になった若い女性から、仕事の合い間にこんなことを切り出された。

「柏本さん、聞いて下さいよ。コンビニで明太子のおにぎりを買ってお昼に食べたら、なかから鮭が出てきたんです。こんなことってありますー?」

 おにぎりを頬張って驚くシーンを想像すると、失礼ながら笑ってしまう。彼女の言は愚痴の要素をちょっぴり含んでいたが、そのあとが素晴らしかった。こう続けたのである。

「まあ、鮭も嫌いじゃないから、そのまま食べちゃったんですけどね」

 彼女が生真面目で狭量な人間なら、コンビニへ戻って文句を言って、おにぎりを交換させる(代金を返金させる)にとどまらず、製造元に対し謝罪や原因の説明、再発防止策を求めたかもしれない。普通の人が簡単にクレーマーと化す今のご時世、十分ありうる話である。

 しかし冷静に考えてみれば、たかだか数百円の商品のことで、しかも中に異物が混入していたわけではない。製造工程か包装の過程で、ミスが生じただけと想像される。故意ではない軽微なミスなのだから、「こんなことがあった!」と笑ってネタにして済ませるのが、上手い終わり方という気がする。

 私にも最近、残念なことがあった。実家の母親が毎年この時期に、箱詰めの美味しい桃を送ってくれるのだが、今年に限って、箱を開けると、上部が変色し腐った桃が一つ見つかったのである。何かの拍子に傷がついた桃が箱詰めされ、そのまま数日経過したせいであろう。私は見た瞬間に「これはひどい」と思ったが、販売元である農協に連絡することはしなかった。これは故意ではないし、毎年同じ目に遭っているわけではないから、今年はやり過ごすことにしたのである(母にも言わなかった)。

 以上のように、小さいことにこだわらないのは、精神衛生上とても良いことである。しかもこれで、人間関係、ひいては社会全体が丸くおさまる効果が期待できる。くどいようだが、故意ではなく、重大なミスでなければ、笑ってネタにしてやり過ごす、そんな流儀を私は自分に定着させたいと思っている。

(2015年7月24日記)

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