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2015年6月11日 (木)

表情から読み取れるもの

 書類の向きについて指摘しないことにした昨日の“彼女”は、見た目が人と違っていた。顔に全体的に生気がなく、目は窪んだ感じで陰気であり、自信の無さとともに人を侮蔑するような感情も湛えていた。私は彼女と仕事でペアを組んだのだが、直感的に「自分がしっかりしないと、とんでもない失敗をしでかすかもしれないぞ」と警戒したほどである。実際彼女はイージーなミスを連発して私も周囲もフォローに追われたのだが、彼女の陰欝な感じは、私に“表情”というものについて考えさせるきっかけになった。

 出所は何であったか、昔よく耳にした言葉に、「男は四十歳になったら自分の顔に責任を持たねばならない」というものがある。当時は、そういうものだろうかと思っていたが、今は男女を問わず、年齢は四十歳を待たずとも、人の表情にはその人の人生が如実に表れるのだと、彼女を観て強く思った。

 ここからは想像するしかないのだが、彼女の陰欝な表情には、子どもの頃から人に軽んじられたり、不当に扱われたり、虐げられたりと、良好な人間関係を構築できてこなかった人生が出ているのではないかという気がする。先天的なものの影響もあるかもしれないが、彼女の生きざまがあの表情には反映されているだろうと思うのである。

 彼女以外にも考えさせられたことがあった。コールセンターでクレーム対応をしていたある女性の表情が印象深く、私の脳裏に焼き付いている。愛想よく電話でお客さんのクレームに付き合っていたその女性は、電話が切れるなり、しばしば人が変わったように、お客さんの悪口を同僚にぶちまけていた。その表情は普段から、他の人よりも怒りや不満を含んだものになっていたのであった。

 言うに及ばず私たちは、人はよく見て付き合うのが賢明だが、“よく見て”の対象には、性格や人となりばかりでなく、“表情”も含まれると私は思う。表情に違和感を覚える人というのは、背後に何かが潜んでいる可能性がどうも高い。そういう人と付き合いを深めるのは、潜んでいる何かを突きとめてからでも遅くはないと思うのである。

(2015年6月11日記)

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