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2015年6月 9日 (火)

自意識過剰な私

 先日、雑誌社からあるテーマで取材を受けた。“あるテーマ”などともったいぶってしまったが、要は私が以前執筆した本に関する内容である。一時間ほどの間、インタビュアーの質問に対して、正直に思うことをお話するだけだから、応答で特に難しい点はなかった。ただこの日は、テーマとは全く別のことが強く印象に残った。

 質問が大体出尽くして、そろそろお開きという段になって、インタビュアーの方から「写真はどうしましょうか?」と聞かれた。この日、カメラマンらしき人がいなかったので、私は撮影はなしとばかり思っていた。返事に困っていると、続けてこう飛んできた。「いつも利用しているお気に入りの写真はありますか? 特になければ、以前撮らせて頂いた写真の中からこちらで選んでも大丈夫ですが。」

 
「自分をよく見せたい」という意識が希薄な私は、ここぞという時のための写真を持っておらず、持とうと考えたこともなかった。そういう機会を殆ど想定してこなかった上、元来、写真写りに自信がなく、写真を遠ざけて生きてきたのである。この日、そのツケが一気に回ってきた。

 
一般論としての印象だが、若い人たちは自分の写真にはこだわりがあるようだ。女性の方々からブーイングを受けそうだが、会社勤めをしていた頃、実際の見た目よりもずっと美しく見えるプロフィール写真を社内イントラネットで何度が見かけたことがある。“決め写真”、“勝負写真”みたいなものを入念に準備し、その甲斐もあって入社を果たし、社内でも続けて活用している人が多いのかなあ、という気が当時したものである。

 私はインタビュアーに、「適当に選んで使って下さい」と言って一任したものの、帰宅してから、自分で綺麗に写真を撮って送った方がいいのではないかと気になりだした。もう立派なおっさんだから、何を今さらとも思うのだが、髪が残っているうち、白髪の方が少ないうち、顔に皺やたるみが少ない今のうちに、現状で最も映えるとっておきの写真を一枚撮っておいてもいいかな、と思い始めたのである。

 妻に相談しようと思ったのだが、「何言ってるの、いい歳をして!」と一蹴されるのが怖くて、切り出せないまま数日が経過した。妻は今、自分の実家に泊まっているのだが、戻ってきた時に言おうかどうしようか……。雑誌社から、インタビューに基づく原稿のドラフトがもうすぐ届く予定になっている。それへの返信が、写真を貼付するぎりぎりのタイミングかもしれない。まだ最終どうするか決めかねているのだが、久しぶりに自分の自意識過剰ぶりに戸惑っているこの頃である。

(2015年6月9日記)

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