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2015年6月20日 (土)

不可思議なメール

 つい先日、《言葉を真に受けないように、そして言葉の裏にある真意を探ろう》ということを書いたが、文章を読んで頭をひねっても相手の真意を掴みかねる出来事があった。今日はその話である。

 ある日、登録している派遣会社から突然メールが送られてきた。内容を要約すると、《職場で一緒になった登録スタッフ同士で、電話番号やメールアドレス等の個人情報をやりとりすることはご遠慮下さい》というものだった。私は一読して首をかしげた。というのも、その論拠が、《個人情報のやりとりに気乗りしない人もいるから》であったためである。

 就業時間中の情報交換は不可に違いない。しかし、休憩時間や就業後において、スタッフ同士がお互いの個人情報を交換することを、なぜ「ご遠慮下さい」と言えるのかと思う。《個人情報のやりとりに気乗りしない人もいるから》は理由にならない。なぜなら、そういう人は「私は(情報を)交換しません」と意思表示すればいいだけだからである(そもそも皆いい年をした大人である)。断われば多少気まずくなるかもしれないが、短期の仕事ゆえ、後々の仕事や生活に悪影響を及ぼすとは考えにくい。

 派遣会社が危惧していることは何であろうか。私はまだ正解に辿り着いていないのだが、思うに、スタッフ同士が仕事に関する情報交換を通して連帯を強めるのを好ましくないと考えている気がする。派遣会社にとっては、スタッフが鵜飼いの鵜のように、一羽一羽別々に繋がれた存在のまま魚を獲ってくる方が都合がいいのだろう……とまで書くと言い過ぎだろうか。

 人材派遣の世界には、いい加減でゆるい運用も色々とあるので、そうしたことの実態が情報共有されかねないネットワークの広がりを、薄気味悪いと捉えているのかもしれない。スタッフ一人が声をあげるだけならば、派遣会社は苦情やクレームという扱いで対応できようが、幾人もの声が束になれば、途端に正当性らしきものを帯び、派遣会社が対応に苦慮する大きな力を持つようになる可能性があろう。

 
かく言う私は、最後に掌を返すようで恐縮だが、派遣会社からの上記連絡に関わらず、今までと同様、メールアドレスなどは他人と交換しないつもりである。交換することによるメリットよりも、個人情報が外部へ出て行くことによるデメリットの方が、長い目でみて大きいと思っているからである。件の派遣会社からの依頼メールは、近いうちに消去することにしよう。

(2015年6月20日記)

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