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2015年4月23日 (木)

私が会社員に向かなかった理由

 もう関係ないというのに、その道を目指す可能性は皆無なのに、今でもなぜか、企業経営者が書いたビジネス書をよく手に取ってしまう。最近読んだものは、株式会社アトラス、株式会社イオンフォレスト(THE BODY SHOP Japan)、スターバックスコーヒージャパン株式会社のトップを務めた岩田松雄さんの著書である。その中に、次のような一節がある。

《経営者はほぼ例外なく短気で、即断・即決する人が多い。私もどちらかというと短気です》

(『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(2012年発行、岩田松雄著、サンマーク出版))

 私はこのくだりを、「そうだよなあ」と受け入れた。私が二十余年に亘り実際に見てきた経営者も、総じてせっかち、短気であった。別の言い方をすれば、仕事が速いのである。速いからこそ、人よりも業績をあげることができ、トップの座に就いたとも言える。そしてトップとなってからも、短期間に業績を上げるべく、その手を緩めない。だから、そのせっかち、短気は組織内に伝播していくことになる。ちなみに楽天グループを率いる三木谷浩史さんは、速さを重視する考え方を次のように述べておられる。

《ビジネスマンの資質として、フットワークの軽さはきわめて重要だ。
 経験的にいっても、今まで出会った優れたビジネスマンは、ことごとくフットワークが軽かった。
 このことについて、ただ一人の例外もない。
 決断が速い。実行が速い。(中略)

 要するに、普通の人が持ち越すことを、絶対に持ち越さない》

(『成功の法則92ヶ条』(2009年発行、三木谷浩史著、幻冬舎))

 今私は、自分の半生を振り返って思う。こういった“速さ”を求める企業という組織体に、私は合わなかった。もちろん、合わせようと自分なりに努力したとは思うが、多くの場合、私は(私の心は)ついていけなかったのである。勤め先の経営戦略や事業戦略、業務目標を見て、「そんなに急がずとも……」と思うこともしばしばであった。経営者目線は、私には定着しなかった。

 そう考えると、今の私の生き方は、自分にとっては落ち着くべきところに落ち着いた感がある。雑音を排して自覚するのに随分と時間がかかったが、私は「のんびりしていること」に大きな価値を置いていたのである。そして、何かをする場合も、時間をかけてじっくりと結果を出すことが性に合っている人間であった。

 繰り返しになるが、こうした自己理解に至るには、時間がかかることもようやく分かった。なぜなら、自分の内なる声を純度100%で抽出するのは難しいからである。多年に亘る社会や他人からの洗脳や刷り込みで、内なる声は蓋をされ、人は外界の価値観をふんだんに取り込んだ考え方・意見を、真に自分のものと勘違いしがちである。蛇足と知りながら、これを書き添えて今日は終わりにしようと思う。

(2015年4月23日記)

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