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2015年3月30日 (月)

私たちは協力的?

 私たち日本人は、自分たちには和を重んじ、助け合う民族性があると思っている。主に農業で生計を立て、地縁社会が当然だった昔は確かにそうだっただろうが、今は果たしてどうだろうかと思うことがままある。書籍から一例を挙げてみたい。

《日本人が欧米人に比べて協力的かというと、必ずしもそうとはいえないという実験結果もある。日本人の場合、自分の行動を見られているという意識、組織内での評判を気にする意識があるから協力し合う。他者の目がないところではじつはそれほど協力的ではないという実証データがあるのだ》

(『私をうつにした職場』(2008年発行、週刊ダイヤモンド編、ダイヤモンド社))

 『ハーバードとグーグルが教えてくれた人生を変える35のルール』(2013年発行、石角友愛著、ソフトバンククリエイティブ)という別の本にも、米国のビジネススクールで学ぶ日本人同士があまり交流を持たず助け合おうとしないことが記されている。他の国の人たちよりも、繋がりが弱いそうである。

 いつの頃からか、私たちは個人主義的傾向を強め、自分の利益や幸せを優先して追求するあまり、“(困った時は)お互い様”の精神で助け合う風潮が薄れてしまった気がする。何をするにしても、自分にメリットがあるかどうか、リターンを期待できるかどうかが、判断する際の尺度になっている感がある。自分のことを棚に上げているようだが、私もそのような価値観に染まっていることは自覚している。私たちはもはや、同じ日本人であるという事実だけでは、無条件に人と繋がろうとしてはいないのではないか。困っている人に手を差し伸べたりはしないのではないか。

 
東日本大震災以降、日本中で“絆”が声高に言われるようになったが、これとて私たちが協力的な社会ではなくなったがゆえに、標語的に言わなければいけなくなった側面があるように感じられる。助け合うのが当然であれば、あえて“絆”、“絆”と強調する必要もなかろう。社会は細かく分断され、自分事と他人事が峻別され、その結果、個人がたやすく漂流しうる社会である。かろうじて家族という単位はあるが、その結びつきもかなり脆弱になっている。以上のような「私たちは協力的?」という疑問が頭に浮かんだのには、きっかけがあったのだが、それについては明日書こうと思う。

(2015年3月30日記)

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