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2015年3月 4日 (水)

ユマニチュード

 2月5日のNHK『クローズアップ現代』で、「見つめて 触れて 語りかけて ~認知症ケア“ユマニチュード”~ 」というテーマの回を観た。“ユマニチュード”は私にとって全くの新語である。何だろうと思って観てみると、概要は次のようなものであった。

《認知症の高齢者の暴言・暴力や徘徊など、いわゆる“周辺症状”の対応に悩む医療や介護の現場で、“ユマニチュード”と呼ばれるフランス生まれのケアを導入する動きが広がっている。「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」を基本に、“病人”ではなく、あくまで“人間”として接することで認知症の人との間に信頼関係が生まれ、周辺症状が劇的に改善するという》

(NHK『クローズアップ現代』ホームページより抜粋)

 施設における高齢者の虐待がしばしばニュースになる日本において、このケア技法は革新的だと私は思った。例えば、認知症の高齢者に話しかける時、急に視界に入っていくと驚かせてしまうので、ユマニチュードでは、高齢者の狭くなっている視野の中心に入るよう、正面の位置から近づいていくという。高齢者の外界の見え方はどうなっているのかというところにまで気を使わなければ、こうした技法は生まれなかっただろうと思う。私たちが理解したつもりになっている、相手の立場に立つことの重要性は、言葉だけの理解だけでは不十分であることが、番組を観ていてよく分かった気がした。

 番組を視聴した後、私の中にも微かに変化が生じたのだろうか。今やっている仕事では、お年寄りの方と電話で話す機会が多いのだが、先日のこと、電話の向こう側の空気を自分なりに読みつつ、丁寧にかつゆっくりと話し終えた最後の最後に、次のようなことをおばあさんから言われたのである。

「あなた、名前は何ていうの? 高齢者への応対がとってもいいわ」

 
面識のないお年寄りから褒められるという、思いがけない体験となった。私は何だかとても嬉しい気持ちになり、その日帰宅してから妻に報告するトップニュースになった。

 
この“ユマニチュード”については、最近日本でも関連書籍の発刊が始まったようだ。私が読んだものでは、『ユマニチュード入門』(2014年発行、、本田美和子著、医学書院)が分かりやすかった。関心のある方には、まさに入門書になると思う。

(2015年3月4日記)

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