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2015年2月27日 (金)

「YES」を引き出す交渉術

 一般に日本人にはあまり馴染みがないが、交渉術と呼ばれるものがある。名前からして米国生まれのものだと思うが、例えば次のようなものがある(参考文献:『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか [第二版] 』(2007年発行、ロバート・B・チャルディーニ著、誠信書房))

 ◆フット・イン・ザ・ドア・テクニック(foot-in-the-door- technique

   まず相手に受け入れられる小さい要請をして、了承されたら大きい真の要請をして承諾させるテクニックのこと。「段階的要請法」とも言う。

 ◆ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(door-in-the-face-technique

   まず高めの要求を投げて拒否させた後、譲歩をした次なる要求を提示して承諾させるテクニックのこと。「譲歩的要請法」とも言う。

 
このどちらにも該当するものではないが、以前「これも一つの交渉術では?」と感じる体験をした。短期の仕事をしていた時である。翌日に何の予定も入れていなかったある仕事日、慌ただしく目の前の業務をこなしていると、「ちょっといいですか」と職員の人が席に座った私の横にピタリと張り付いて、「明日、仕事に出られませんか?」と単刀直入に聞いてきた。業務に集中していた私は、十分に考える間もなく「いいですよ」と即答してしまったのである。この間僅か数秒。瞬殺の落城となった。

 翌日に予定を入れていなかったのは事実であった。心身を休めるために気ままに過ごす日としていたのである。しかし、急かつ即答を求められる問いを投げかけられて、求められるがままの返事をついしてしまった。「お人好しだったなあ」と思ったが、後の祭りである。

 その職員は、特に交渉術に長けていて聞いてきたわけではなかろう。素直に、翌日の仕事の人繰りを考えて、空きのあった私に頼んでみただけと思われる。しかし、後で冷静に振り返ってみると、頭の回らない多忙な時間帯に短い言葉で「YES」の回答を求めるというのは、巧みな交渉術と評するに値すると思えたのであった。

 それから暫くは、追加出勤の煽りを受けて疲れてしまい、自宅でブログを書く気にならず、電車の中でのすきま時間を活用してブログ原稿をメモ帳に書きなぐる羽目になった。「仕事日を一日増やし、休息日を一日減らすなんて、愚かだったなあ」とかなり後悔したのを今でも思い出す。そして、この記憶が残っている今のうちに、一矢報いるべく(?)ブログで取り上げることにしたという次第である。

(2015年2月27日記)

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