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2015年2月12日 (木)

社員の働き方を変えるという挑戦

 昨日はヤフージャパンについてやや辛口気味に書いたが、今日は素晴らしいと感じた点を記しておきたい。『カンブリア宮殿』にはヤフージャパンのトップ、宮坂学さんが招かれていた。そして、記憶ベースゆえ表現は正確ではないが、番組の後半に次のようなことを仰っていた。

「社員の、時間に囚われない働き方、場所に囚われない働き方を実現させたい」

 インターネット企業らしい柔軟な発想だと思うが、私がこの発言に注目したのには訳がある。今日の日本のビジネスパーソンは、総じて疲弊している。バブル期の頃くらいまでは、仕事がしんどくても、その分勤め先の給料やボーナスが高いなど、報酬や福利厚生面での報いがあったが、今はブラック企業に代表されるように、過重労働はさせるがそれに見合う報酬を出さず、とにかく社員を使い倒そうとする企業が多くなってしまった。“悪社は良社を駆逐する”ような、由々しき流れが蔓延しているのである。そうしたなか、宮坂さんの仰ったことは、社員の酷使を可とする安易な風潮に一石を投じる、価値あるものではないかと思う。

 個人的に受ける印象だが、近年社員を思いやるメッセージを打ち出す経営者が少なくなってしまった。もちろんその背景には、長らく続いた不況があり、外国企業を含めた企業間競争の激化があり、企業にゆとりが失われたことがあろう。パフォーマンスや生産性を上げろと社員にハッパをかけるメッセージは多く聞かれても、社員をより幸せにしたいと心から願う企業経営者の声は、殆ど聞こえてこないのが現状である。このため、宮坂さんが口にされたことは、とても立派な内容で私の胸に深く響いた。

 
「朝9時に出社するために、満員電車に乗って通勤し……」という働き方を変えることができたら、どれだけ日本のビジネスパーソンは救われることか、と思う。朝、精彩を欠いた目で駅のホームを慌ただしく移動する人たちを見るにつけ、仕事の環境面で負荷が軽減されれば、かなり幸福感は高まると思うのである。理想主義に聞こえるかもしれないが、宮坂さんの志が地に足の付いたものとなり、同様の考えを持つ企業トップが増えていけば、“良社は悪社を駆逐する”という、今までとは逆の流れになる可能性もなくはないのではないか、と私は思いたい。

(2015年2月12日記)

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