« 近所の床屋にて | トップページ | 断わり方の作法 »

2015年1月 4日 (日)

時には上手い嘘をつくことも

サービス業の会社に勤める方から聞いた話である。纏まった人数の学生アルバイトの募集をかけて、バイト当日の数日前に研修を開いたところ、予定していた学生の2~3割が連絡もなく欠席したという。その方は、「この上、当日も無断欠席が出てしまっては……」と頭を抱えることになった。

 
これは当世の若者事情なのだろうか。その研修でもお金が時給で支払われることになってため、“無給”が欠席の理由ではない。大学生ともなれば、無断欠席がダメなことくらい分かっているはずである。都合が悪くなれば、電話やメールで会社に一報を入れるべきであろう。それをしないのはなぜだろうかと考えてみた。私が想像したのは、後からもっと割のいいバイトが他で見つかったのではないか、ということである。例えば、1月4日一日だけの単発バイトよりも、4~6日の三日間連続のバイトがあれば、そちらを優先したくなる気持ちは理解できる。

 
とはいっても、このような理由でのキャンセルは好ましいことではない。自分勝手な理由だからである。が、そうと分かっていても、金欠に陥りがちな学生の立場に立てば、こうしたバイトの乗り換えを受け入れてあげたい感じも一方ではする。では、どういうやり方が考えられるだろうか。

 
私は、上手い嘘をつけばいいのではないかと思う。例えば、「授業の日程が変更になった」とか「学校から呼び出される予定ができた」といった嘘である。こうした理由を作って数日前に会社に連絡をすれば、無断欠席や当日のドタキャンよりも、遥かに罪が軽いと言えるだろう。欠席の連絡を受けた会社側は、それに応じて対策を打つことができると考えられるからである。

 私たちは、「無断欠席」も「嘘をつくこと」もいけないことだと教えられてきた。が、「無断欠席」を回避するためならば、「上手い嘘をつくこと」はぎりぎり許されていいのではないかと思う。私が先の話を耳にして気にかかったのは、「無断欠席」に慣れてしまった学生が、その癖を直さないまま就職してしまうことである。一見のバイト先ならば傷を受けずに済むだろうが、就職してしまえばたった一回の「無断欠席」で社会的信用を失うことも大いにありうる。そうしたことも考えたとき、「上手い嘘をつくこと」は、時に生きる知恵として許容されるものであろうと私は思う。

(2015年1月4日記)

« 近所の床屋にて | トップページ | 断わり方の作法 »

教育」カテゴリの記事

生活全般」カテゴリの記事

若者・就職」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/573382/60892737

この記事へのトラックバック一覧です: 時には上手い嘘をつくことも:

« 近所の床屋にて | トップページ | 断わり方の作法 »