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2015年1月13日 (火)

内向型人間の呟き

 『内向型人間の時代』(スーザン・ケイン著、講談社)を読んだ。私は昔から、性格や気質分析に興味があったので、高い関心を持って本に臨んだのだが、想像していたような内向型と外向型のタイプ分けがされてあった。両者の厳密な定義は置いておくが、次のような違いがあるという。

《内向型と外向型とでは、うまく機能するために必要な外部からの刺激のレベルが異なる。たとえば、内向型は親しい友人とワインをほどほどに飲むとか、クロスワードパズルを解く、読書するといった低刺激が「ちょうどいい」と感じる。外向型は初対面の人に会うとか、急斜面でスキーをする、ボリュームを上げて音楽を聴くといった高刺激を楽しむ》

《外向型はすばやく行動する。すばやく、時には性急に決定をくだし、一度に複数のことをこなしたり、リスクをとったりすることも平気だ。金銭や地位などの報酬を「求めるスリル」が楽しいのだ。一方、内向型はゆっくりと慎重に行動することが多い。一度にひとつの作業に集中するのを好み、すばらしい集中力を発揮できる。富や名声などの誘惑に惹かれることは比較的少ない》

(『内向型人間の時代』(2013年発行、スーザン・ケイン著、講談社))

 本書で知った意外な情報は、アメリカ人の1/3~1/2が実は内向型らしいということである。社交的で、アピール好きで、自己主張をはっきりする活動的なアメリカ人のイメージとはかなりかけ離れた研究結果である。アメリカ人ですら内向型が少なくないのであれば、日本人ならば1/2~2/3は内向型ではないかと思えてしまう。そういう日本で、「外向的な人間が成功する」「外向的であれ」という空気が支配的になっていると私は感じる。そこに囚われてしまうと無理が生じると思うのである。

 私は典型的な内向型人間である。子どもの頃から、家の中で過ごすのが好きで、今の季節であればこたつでみかんを食べながら一人で本を読んだりゲームをしたりするのが最もリラックスできた。学生時代も社会に出てからも、明らかに慎重に動くタイプで、刺激を求めて活発に動き回るのは、かえって落ちつかなくて嫌であった。会社勤めの頃、出張で地方や海外に行った際も、夕食・会食が終われば早くホテルの部屋に戻って静かに本を読んでいたいと思うような人間であった。

 そんな人間ではいけないんだ、と悩んだ時期もある。自分を変えなければと思い、休日に教会へ行ったり、精神科医を訪ねたりといったことまでした。で、結句どうなったかというと、性格改造のようなことに取り組んでも何も変わらなかったのである。自分の心身にどこも異常や問題はなく、ただ「そういう人間なんだ」ということがはっきり事実として分かるようになった。ありのままの自分を受容し、内向型人間の特徴を強みとしても認識できるようになったのである。

 若い頃のこうした経験は、幸い無駄にはならなかったようだ。私はもう十年以上、精神的に安定した状態で落ち着いている。『内向型人間の時代』を書いたスーザン・ケインさんは、人が心地よいと感じる「最適な覚醒レベル」を“スイートスポット”と呼んでいるが、これは内向型と外向型とでは大きく異なるようだ。私は、自分の“スイートスポット”をよく理解するようになり、それを多く感じられる仕事や生活スタイルにシフトしてきたことが大きいと思う。

 今日も自分自身に向き合いながら淡々とブログを書いているが、これも内向型人間のなせる業ではないかと思っている。『我が心の遍歴』は、“内向型”全盛の学生時代につけていた日記の名前である。

(2015年1月13日記)

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