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2015年1月 2日 (金)

人は自分の価値基準でものを言う

 昨年12月28日に、アイドルグループ・関ジャニ∞の情報エンターテインメント番組『関ジャニ7(セブン)』(日本テレビ)を観た。贔屓にしているアイドルグループはそもそもないので、普段は観ないのだが、この日は「将棋界」がテーマだったため録画まですることにした。地上波のテレビで将棋が特集されることは、そう多くはないのである。

 
興味深かったのは、“アイドル棋士”として紹介された竹俣紅さん(プロの女流2級)である。棋力と美貌を兼ね備えた16歳で、プレゼントを送ってくるファンもいるとのこと。注目度の高い女流棋士の一人なので、テレビや雑誌の取材が引きも切らないらしいが、取材に関するこんな話を披露されていた。

 取材で「将来の目標は?」と聞かれて、正直に目標を答えたところ、次のような文面の手紙が来たという。

 

「あなたにはそんなこと出来ないのに」

 

 そして逆に、目標を低くして答えると、次のような手紙が来るそうである。

 「(あなたは)志が低い」

 
これはなかなか示唆に富んだエピソードだと思う。人は自分の価値基準で勝手にものを言う、ということである。万人が納得するような“正解”はないのであって、自分に向けられた反応は、上手くやり過ごすか、そもそも答えないようにしておかないと、神経が図太くない限りは身が持ちそうにない(少なくとも私は耐えられない)。

 
竹俣さんは芸能人ほど知られてはいないが、将棋通の人なら知っている女流棋士である。そんな彼女は、弱冠16歳にして、「対外的にどういう受け答えをするのが無難か」ということを、有名人ばりに学習している最中に違いない。番組の後半、「将来どんな棋士になりたいか、という理想像はある?」と質問された彼女の返答はこうであった。

 
「そういうことを言うと、またお手紙が来ちゃうんですよ」

 
上手くはぐらかした見事な一手であった。

(2015年1月2日記)

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