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2014年11月 5日 (水)

3本の指

 つい先頃、見目麗しいある女優さん(独身)がゲストとして呼ばれていたテレビ番組を観た。その方が出演者から、「どんな男性が嫌ですか?」と質問を受けたシーンがあったのだが、彼女は「人のことを思いやれないような男性は嫌です」といった回答していた。録画なしの記憶ベースなので、表現は正確ではないが、彼女の言いたいことはよく伝わってきた。至極真っ当な答えである。が、このような正論的な答えが、いつの頃からか、私には引っ掛かるようになった。

 とても意地悪な見方をすると、その女優さんは言外に、「私は人を思いやれる人です」とほのめかしているようにも聞こえるし、あるいは「私は人を思いやれるかどうかをあれこれ問われる筋合いのない人です」と内心思っているようにも聞こえる。いずれにしても、男性を裁く“思いやり”という鋭利な物差しでもって、自分は否定的に評価されることはない、という前提に立っているように感じられる。

 
何がオリジナルの出所か知らないが、こんな話を聞いたことがある。人差し指を他人に向けて何か批判や指摘をした時、拳の3本の指(中指・薬指・小指)は自分に向けられている、という。つまり、相手だけが悪いのではなく、自分にも悪いところがあるのではないか、ということを指の方向は表しているのである。他人に向けて発した厳しい言葉は、返す刀で自分自身にも向けられて、「そういうあなたはどうなのですか?」と問われる、というわけだ。

 
そう考えると、<自分は正しい、相手が悪い>という単純な図式はなかなか取り得ず、自分の至らなさや、人間の不完全さというものが浮き彫りになってきてくる。そして、最終的には、他人に対する怒りや憤りが多少はおさまるようになるのである。「人間歳をとれば丸くなる」と言われることが多いが、私に限って言えば、もし丸くなっているところがあるとすれば、以上に述べた考え方が幾分は作用しているように思う。こう書くと、自賛しているように受け取られるかもしれない。しかし、人を指さして責めたりしているわけではないから、これくらいは許して頂けるだろう(と勝手に思っている)。

 
(11月5日記)

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