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2014年9月21日 (日)

(再び)妻のユーモアセンス

 8月28日が初出の『妻のユーモアセンス』について、新ネタで書いてみようと思う。先日、海外から帰国した女性の歓迎会に参加する機会があった。ホスト側は、元職場の同僚(先輩)Nさんと私の二人。Nさんと私はこれまでも別の会で時々飲んでいて、Nさんはその度にパンのお土産を私に買ってきてくれていた。これには背景があって、Nさんと私は以前都内で同じ町に住んでいたことがあり、私と妻が大好きだった近所のパン屋さんをよく知っていたのだ。現在私は遠くに引っ越してしまい、そのパン屋さんにおいそれと買いに行ける距離ではなくなったため、都内で飲む時に、Nさんがご厚意でそこのパンを買ってきてくれるようになったのである。

 実績の積み重ねとはおそろしいものである。Nさんと会うたびに私がパンのお土産をもらって帰るため、いつしか妻の頭には「Nさんはパンをくれる人」というイメージが定着してしまっていた。歓迎会の前日、「明日Nさんと会うよ」と妻に言うと、妻の目がきらりと光った。ただし、ここで一つ問題があった。今はNさんもKという町に引っ越ししてしまい、そのパン屋さんは遠くなってしまっていたのだ。「もう期待しちゃだめだよ」というニュアンスを込めて、それを妻に伝えたところ、こう返ってきた。

「K町のパン屋さんも好きよ~って、Nさんに伝えといて」

 お分かりだろうか。「買って~」ではなく「好きよ~」と回りくどく言うこのユーモアは、妻がしばしば使う“おねだりの技法”である。屈託のない笑顔と甘えた声を併用してうまく使えば、女性には強力な武器になるに違いない(私の経験上そう言える)。

 さて、この伝言は妻から託された重大なミッションとなった。翌日、歓迎会の最中、頃合いを見計らってNさんに妻のメッセージを伝えたところ、Nさんは苦笑いをして黙って聞いていた。私はそれを、「了解」の意味に受け取った。その晩、早速妻に報告したことは言うまでもない。

 実はNさんはなんとこの日も、別のパン屋さんでパンを買ってきてくれたのであった。妻は口にこそ出さないが、Nさんのことを凄い人だと思っているに違いない。実績が実績を生み、さらに期待を膨らませるという、(わが家にとっては)好循環が続いている。

 Nさんは、このブログの読者である(とご本人が仰っていた)。この日のことをブログに書くとは伝えていなかったが、きっと笑い飛ばしてくれるだろう。会うたびにパンをお土産にくれるぐらい心の広いお方だから、全く心配していない。あっ、お礼を失念しておりました。あのパンは妻と二人で美味しく頂きました。Nさん、どうも有り難うございました(これからも宜しくお願いします)。

(9月21日記)

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