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2014年7月26日 (土)

一年分の涙を流す

 我が家では大抵、夕食を妻と二人で共同して作るのだが、妻に外出する用事があって午後不在の時は、私が一人で用意することが多い。6月上旬にそんな日があり、私は腕を振るってカレーライスとオニオングラタンスープを作ることにした。このオニオングラタンスープが難敵であった。

 
4つほど玉ねぎ(中サイズ)の皮を剥くところから始めたのだが、途中で当然のごとく涙が出てくる。料理とは過酷である。延々と4つ剥く間、ずっと涙がこぼれ続けた。私は普段殆ど泣かないが、これは1年分の涙に相当したと思う。梅雨時にテレビで流れる《○○地方では1日で1ケ月分の雨量を記録しました》という豪雨のニュースに接した時は、「こっちは十数分で1年分の涙だよ」と心の中でぼやいた。

 
オニオングラタンスープ作りは、この後も大変である。切った玉ねぎがとろとろになり、さらにあめ色に変色するまで炒めつづけなければならない。時間にして1時間半ほどかかっただろうか。レシピ通りとはいえ、とても根気のいる作業となった。

 
肝心の味はというと、嬉しいことに、たまねぎ本来の甘みが感じられる美味しいスープに仕上がった。妻に出来を聞くと、なんと「☆3つ」である。物的証拠は何も残っていないが、町の定食屋さんで出しても恥ずかしくない味だったと思う(写真くらい残しておくべきだったか)。

 
もし世の女性方が、夫に料理の大変さを体験してもらいたいなら、オニオングラタンスープはおすすめである(→男性諸氏はご警戒あれ)。「料理なんて……」と思っている男性は、料理への認識を新たにするに違いない。しかし一方で、粘り強く完遂して味で結果を出せば、夫の株が上がることは間違いないと思う。少々怖いのは、その後の展開である。私は妻に、いつひと言言われるかと内心びくびくして、暑い夏を過ごしている。

「オニオングラタンスープ、また食べたいなー」

(7月26日記)

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