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2014年6月20日 (金)

北海道の二人の仕掛け人

 この一か月あまり、とうもろこしがスーパーの店頭に頻繁に並ぶようになった。頻繁に食べたいと思う食材ではないが、皮を剥かれていないとうもろこしの山を見ると、そういう季節なんだなあと感じ、とうもろこし畑がふと頭に浮かんだりもする(←これは言いすぎかな)。

 
とうもろこしと言えば、北海道を思い出すが、今日は北海道の二人のヒットメーカーについて書いてみようと思う。お一人目は田中義剛さん。かつてブームとなった『生キャラメル』の仕掛け人として知られているが、暫くの間マスコミ等での露出が殆ど見られなくなり、どうしたのだろうかと思っていたところ、テレビ番組『ソロモン流』【賢人:田中義剛(花畑牧場社長)】(テレビ東京、2014119日放映)で最近の様子を知った。『生キャラメル』ブームが終わった後は、経営者として壁にぶち当たったようで、番組での次のようなコメントから苦労が窺えた。

《あのブームで分かったのは、ど素人経営をしていたということ》

《(私は)コンプライアンスを知らなかった(例えば建築基準法)》

《死ぬほど失敗した》

 
ヒットメーカーのお二人目は、勝山良美さんという方である。『札幌カリーせんべい カリカリまだある?』、『北海道のポテトチップス ジャガJ』など、北海道のお土産品で近年ヒットを飛ばしているプロデューサーとして知られている。同じく『ソロモン流』【賢人:勝山良美(札幌のレストラン「YOSHIMI」のオーナーシェフ)】(201454日放映)に登場されたのを見て私は勝山さんについて初めて知ったのだが、三十九歳で料理人になり、五十八歳でお土産業界に参入した遅咲きの苦労人のようである。

 
このお二人、お互いに面識があるのか、意識をしているのか私は知らないが、奇しくも商品開発には一つの共通点が見られる。これが大変興味深い。商品開発の要諦を、それぞれ次のように述べておられるのである。

《肝心の味がよくなければヒット商品にはならない。生キャラメルを開発するうえで、最も大切にしたのは食感のインパクトだ。(中略)「食べて1秒で脳を刺激するようなものを作ってよ」と(スタッフの女性パティシエに)リクエストした》

(『田中義剛の足し算経営革命』(2008年発行、田中義剛著、ソニー・マガジンズ))

《ひと口食べたら、誰もが「これはおいしい!」とビックリし、やみつきになる味にたどり着くまで、いくらでも時間をかける》

(『最強「ご当地定番」のつくり方』(2013年発行、勝山良美著、日本実業出版社))

 
お二人とも、<ひと口目のインパクトが極めて大事である>という認識の持ち主なのである。美味しい食品に慣れ、舌の肥えた現代人を驚かせるのは大変に違いないが、粘り強く開発に取り組んでいるところ、そして実際にインパクトが強烈な商品の開発で実績をあげているところが凄いと思う。北海道には元々、とうもろこし、じゃがいも、牛乳など大自然の食材に恵まれているというアドバンテージはあるが、北海道以外の地域においても食品開発に携わる方々には、<ひと口目のインパクトが極めて大事>という考え方は、非常に参考になるのではという気がした。

 ご参考までだが、敷衍して我が家の話を一つ。先月妻が、都内の某百貨店で北海道物産展に立ち寄り、『北海道のポテトチップス ジャガJ』を買って帰ってきた。レシートを見ると658円(税抜)で、ポテトチップスの内容量は90グラムであった(10グラム換算約73.1円)。同じ頃、私が足を運んだ近所のスーパーでは、ナショナルブランドのポテトチップス(60グラム)が70円程度(税抜)で売られていた(10グラム換算約11.7円)。同じ重量で単純比較をするならば、『ジャガJ』は一般的な商品の約6倍もの値段が消費者から受け入れられている、ということになる。他にない価値を消費者に認めて頂ければ、何倍もの高い価格でご購入頂けるという好例であると感じた。

 
さて我が家では、この後小さな事件が起こった。妻の「もったいない」の一言で『ジャガJ』は“お預け”になり、実際に食べたのは、買ってから一週間も経った頃となったのである。抜群に美味しいものは、賞味する側にも相当の我慢が必要になることもある、と、今日は書き添えて終わろうと思う。

(6月20日記)

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