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2014年6月 8日 (日)

ある銀行員がゴルフをしない理由

 もう随分昔になるが、大手銀行の経営統合が相次ぐ前、都銀という呼称が残っていた頃のことである。経済界で知られたある銀行員が、「私はゴルフをしません」と新聞のインタビューに答えているのが目を惹いた。当時銀行員といえば、接待や仲間内でゴルフをして当たり前といった感があったので、偉い立場の人なのに変わっているなぁと素直に思った。今もこの記事を忘れずに覚えているのは、この銀行員のゴルフをしない理由が、なかなか気が利いていたからである。

「ゴルフをすると、お金、時間、名誉の三つを一挙に失ってしまいます」

 
なるほど、そういう説明の仕方があったか、と私は思った。「下手だからゴルフはしません」と屈辱的に白状しないところがしゃれている。失うものの三つ目「名誉」というのは説明を要するかもしれないが、ぶざまなプレーを人前で晒すと、「偉い人なのにゴルフはひどいな」と思われ、立派な肩書や社会的なステータスが毀損してしまう、ということを指していると見られる。

 
“三点セット”をあえて公言するかどうかは別として、なにかをしない理由として、この説明の仕方は大いに役立つと私は思ってきた。ゴルフに限らず、カラオケやボーリング、飲み会等々、「お金」「時間」「名誉」全てを失うものに参加しないというのは、人付き合いの流儀として存立しうる。「飲み会に名誉なんて関係あるのか?」と疑問を呈されるかもしれないが、お酒を飲んで当たり前のメンツで、「私はお酒弱いんです」といちいち説明をしなければ許してもらえない場であれば、飲めない人はやはり「名誉」も失ってしまうのである。

 
もっとも、この流儀の使用には注意書きも必要だと思う。ゴルフ、カラオケ、飲み会などを、「お金」「時間」「名誉」の観点でばさばさと切り捨てていけば、どういうことになるのか。結果、勤務先で良好な人間関係を構築できず、昇進昇格ができないことになれば、生涯にわたって収入増の目を自ら摘み取ってしまうことになりかねない。従って、自分の流儀が中長期的に自分にどうはね返ってくるかを想定しておくことも考えておかねばなるまい。

 
さて、冒頭に挙げた銀行員はどういう人だったかと言うと、バンカー(銀行経営者)であった。バンカーなのにゴルフをしないなんてこれ如何に……今日の締めは意表を突いて親父ギャグにした(笑えなかった方、ごめんなさい((--))。これで私は「名誉」を失ったかもしれない。

(6月8日記)

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