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2014年5月 5日 (月)

支払調書の枚数から考えたこと

 耳慣れない言葉かもしれないが、『支払調書』というものがある。これは、会社や団体が、一年間に報酬として誰にいくら支払って税金がいくら源泉徴収されたかを示した一枚紙のことである。毎年1月頃に、前年分の支払調書がその会社や団体から役務を提供した者に対して送られる。

 
この『支払調書』、私にも今年1月に、印税や講演料を頂いた出版社や企業団体から郵送されてきた。ビジネス書を読んでいるとまれに登場する言葉でもあるのだが、最近読んだ本の中では非常に興味深い文章として現れた。それが次の一文である。

《現在の私の支払調書は、毎年およそ200300という数になります》

(『金持ち脳と貧乏脳』(2013年発行、茂木健一郎著、総合法令出版))

 
へぇーと思ったのが、この200300という数字である。これは、著書の茂木健一郎さんが、それだけの数の企業や団体から、仕事の対価として報酬を受けていることを示している。茂木健一郎さんといえば脳科学者として知られているが、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に代表されるようにテレビ番組への出演も多く、著作も多数ある。このように茂木さんの仕事が多岐に亘っていることは、以下の文章からもうかがえる。

《私の場合でいえば、もともとは一企業の研究者ですから、当然そこでの給料しか出ません。ところが、本を書くことによって得る印税や講演料、さらにはテレビやラジオに出演したときの出演料などがいろいろと「合わせ技」になって、新たなお金が生まれています》(同上)

 
これは、茂木さん個人のビジネスモデルを端的に表している。脳科学者をコアの仕事として給与所得を確保しながら、そこから派生する仕事を積極的に受けることで事業所得をプラスしていくという構造である。収入が単に増えるばかりか、収入源の分散を図ることもできており、個人の仕事のあり方として理想的に映る。

 
こうした仕事のあり方は、決して新しいものではない。少し遡れば、藤井孝一さんの著書『週末起業』(2003年発行、筑摩書房)あたりから広く知られるようになったと思う。週末を利用して自分の好きなことでお金を稼ぐことを提唱したもので、副業に関するバイブル的な指南書と言えるかもしれない。“副業”というと、就業規則で原則禁止している企業が多いはずなので聞こえは悪いが、“副収入”を得ることまでは禁止されていないはずである(現に、不動産収入や株の売買益を許さないとする内容の就業規則は聞いたことがない)。従って、こうした働き方は大いに検討の余地があると思う(留意点としては、同僚や先輩等に決して口外しないこと。なぜならやっかみが密告等を生み、後で問題になりうるから)。

 
話が冒頭の『支払調書』から脱線気味になったが、最近気になる“人”がいる。船橋市非公認のゆるキャラ、ふなっしーである。テレビを観ていると、今年に入り非常に露出が増えている印象がある。来年の1月にはおそらく相当数の支払調書がふなっしーの手元に届き、「いっぱい届いたなっしー!」と叫ぶことだろう。束になった支払調書を纏めて、ふなっしーは税務署に確定申告に向かうのだろうか。でもあの姿では、目立ちすぎてしまう(笑)・・・e-taxという電子納税のやり方があったか・・・。パソコンに向かって申告作業をするふなっしーの姿を勝手に想像して、“かわいい”とつい思ってしまった。今日は、5月5日こどもの日。きっとどこかでふなっしーは飛び跳ねているだろう。

(5月5日記)

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