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2014年4月25日 (金)

寿司店の話

 安倍晋三首相が23日夜、来日したばかりのオバマ米大統領を銀座の寿司店『すきやばし次郎』に招待し、非公式な夕食会を開いたと報じられた。このお店、私などは行ったことがないが(入れてもらえるかどうかも分からないが)、名店と称され、どこかで店主・小野二郎さんのお顔を写真で拝見したことがある。食べ終えたオバマ大統領は、「人生のなかで一番美味しい寿司だった」と感想を口にされたという。

 
私は頭の中で、次のような場面を勝手に想像してみた。オバマ大統領を違うお店、回転寿司の雄『スシロー』に招待するのだ。大統領は、お寿司の皿をスピーディに運ぶレールと便利なタッチパネルを見て驚き、しかも大半のお皿が1ドル(≒100円)と知って、“Amazing!”とか“Fabulous!”と仰るのではないか。大統領の興奮冷めやらぬうちに、安倍首相はさっとコーンの軍艦を差し出し、「これはアメリカ産ですよ」とリップサービスする。日米が交渉中のTPP(環太平洋経済連携協定)を念頭に、日本はアメリカの農産物を沢山買っていますよとアピールするのだ・・・。

 
・・・などということは全くの絵空事である。なにしろ相手は国賓待遇のオバマ大統領。今回の『すきやばし次郎』は、おまかせコースが一人3万円(飲み物代別)もするお店なのだ。翌24日夜、私は妻と近所の『スシロー』に食べに行った(これは本当の話)。キャンペーン商品の「倍とろ(とろ2倍)」がお目当てだった。あいにく売り切れていたのだが、途中退店というわけにもいかず、好きなネタを普通に一通り食べることにした。この日の会計は二人で2,948円。一人当たり1,474円となり、なんと銀座のお店の1/20の代金であった。

 
私が子どもの頃は、寿司店というと非常に高級で、敷居が高い外食であった。両親に連れられて外でお寿司を食べた記憶は、僅かに1回しかない(サービス価格で食べることができた、新しい寿司店のオープン記念を狙った時のみ)。これが私のお寿司の原体験である。それが今や、一人1,500円程度で食べられるお店から3万円で頂くお店まで、寿司店は幅広く存在するのだ。日本は豊かになったものである。

 私たちが生活する上で、選択肢が多いのは好ましいことである。両首脳の夕食を見て、「一度は銀座の名店で…」と思わないことはないが、身の丈に合った生活が板についている私は、「3万円あれば近所のお店で20回も食べられる」とつい計算してしまう。まあ、それはそれでいいではないか、と私は納得している。

(4月25日記)

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