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2014年3月 9日 (日)

お笑い芸人の学力

 毎年大晦日に、妻とともに観るのを楽しみにしている番組に、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!  絶対に笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ)がある。毎年大いに笑わせて頂くのだが、昨年はココリコの遠藤章造さんが、<1/2+1/3=?>という算数の問題を<2/5>と大真面目に誤答して、爆笑の渦を巻き起こしていた。最近別の番組で、元妻の千秋さんが「遠藤君はアルファベットが26文字というのを知らなかった」ことを明らかにし、元旦那をいじっていたこともあった。お笑いの世界は、勉強ができないことがマイナスどころか、強烈なネタになる珍しい業界であると思う。

 
一方で、これも極端な例だが、高い学力のお笑い芸人も存在するのが世の中の面白いところだ。一昨日、お笑い芸人の石井てる美さんについて書いたが、ご本人のブログを見るとTOEICで満点の990点を取ったと記載してあった。日本語しか使わない日本のお笑いの世界で、これだけ高い英語力というのは驚きである。

 
もうおひとかた、挙げておきたい。学生時代は理系だったたけしさん。今や映画監督でもあり、お笑い芸人という枠で括ることはできないが、昔の著書で数学や科学について語っておられる。学力、知力の高さがうかがわれ、少なからず唸らされる内容である。

《ある瞬間、今度は虚数っつうのが出てくると、ルートマイナス2なんてのが出てくる。2乗してマイナス2になるものなんかありえないじゃない。でも虚数ってのを設定しだしたらもうすごい。それが実際の理論に入ってきちゃうわけ。虚数っていうのは、文学的に言うと、「忘れることを肝に銘じる」みたいな言い方になる(笑)。その言い方は虚数じゃない? そういう虚数が出てきて成り立ってくるところもある。そうすると、数学とか科学って、すごい文学的なんだよね》

(『異形』(2004年発行、北野武著、ロッキングオン))


 私は大学に入ってからずっと、“虚数”というものを忘れていた。それが、たけしさんの本で思い出したのである。芸能界の人が書いた本で、“虚数”に言及した本が一体何冊あるのだろうか、と思う。芸人に取り上げられて、“虚数”もさぞびっくりしたことだろう。いや、虚数は実在する数字ではないから、びっくりしたりなんかしない、と言うべきか。今日は結論めいたものはなく、なんだか変なオチである。

(3月9日記)

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