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2014年2月18日 (火)

夫婦の食べ物の好み

 「ははぁ」と思ったことがある。ベストセラー『国家の品格』で知られる数学者・藤原正彦さんのエッセイに、次のようなくだりがあった。

《長いあいだ生活を共にした夫婦間でも意見は一致しない。私は塩辛が大嫌いだが女房は大好きだから構わず買ってくる。逆に私はいちじくや柿が大好物だが女房は手を出さない。食物くらいでは喧嘩にならないが(以下略)》

(『グローバル化の憂鬱』(2013年発行、藤原正彦著、新潮社))

 
夫婦で食べ物の好みが違うのはよくあることだが、「それぞれ欲しいものを買うものなのか!?」というのが正直な感想である。我が家では、食べ物を巡ってのさや当ては生じない。例えば、私はキムチが好きだが、妻が嫌いなので買ったことがない。妻はキムチの臭いが冷蔵庫に溜まるのも嫌がるので、私は妻に不快な思いをさせてまで、食べようとは思わないのだ。このキムチのように、実は好きだけれど買わないものは、たくあん、らっきょう、柿など幾つかある。幸いなことに、私には苦手な食べ物が殆どないので、家では他のものを食べていれば十分足りている。

 
これだけ書くと、私ばかり妥協しているように見えるが、妻には違った形での気配りがある。例えば、私はこの正月に初めて昆布と鰹節から出汁をとってお雑煮を作ったが、二月上旬に具材にネギの青い部分を入れて作った時のこと。妻がお箸でそっと、私のお椀にそのネギを移動させてきた。妻はネギの青い部分が嫌いだったのだ。なのに、「私が嫌いなものは入れないで!」と言って、非難してくるわけではない。不満を口にせず、ただネギを移そうとする仕草は、嫌みのない可愛らしいものだった。手前味噌で誠に恐縮だが、夫婦仲は、直球勝負で本音をぶつけ合うのがよいとは限らないように思う(藤原さんご夫妻のやりとりにケチをつけているわけではありません、念のため)。

(2月18日記)

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